二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ポケットモンスターSPECIAL *星の欠片* ( No.28 )
日時: 2010/02/21 23:16
名前: むつみ ◆I74UefpcV. (ID: DJvXcT4Z)

第3話[セイの行動]

「どういうことだ……?」

 俺は何冊か落ちているノートを手に、パラパラとページをめくる。
 そこには、今までにあった事件の内容がずっしりとあった。

 カントーを巡るロケット団占領事件、四天王大騒動、ジョウトの仮面の男やマスクドチルドレンの事件、ホウエンのグラードン・カイオーガ、そしてレックウザを巡る対決、ナナシマのロケット団との惨劇、更には……バトルフロンティアのあの事件の内容が、細かく記されていた。

「シルバー? セイお風呂から上がったわよー?」
「!!」

 俺はすぐにノートを閉じてバッグにしまい、落ちていた紙を拾い上げ、バッグにしまったあと、すぐに部屋に置いた。
 何もなかったかのように……。


「……つまり、あなたは1年間このカントー地方やジョウト、たまにホウエンへ……行きたいってことね?」
「はい……ただ、泊まる場所がなくて……」
「……だったらアタシの家に泊まればいいじゃないのっ♪」

 セイは、とある地方からカントー地方に1年間来ることになったが、泊まる場所がないと言う。
 そこで姉さんがこの家に泊まればいい、という提案を出した。

 正直、俺はこのセイの発言は嘘だと思った。
 さっきのあのノートと書類……。
 完全に、俺達の正体……と言うより、情報を収集するためだと考えられる。
 そんなの調べるやつは、普通は悪党としか考えられない。

 しかし……。

「ね、いいでしょシルバー♪」
「あ、ああ。俺も賛成する」
「はい決定! よろしくね、セイ♪」

 俺はこの状況で口出すはしなかった……。
 いいや、出来なかったんだ。


「……眠れん」

 夜の12時30分。俺はベッドの上で窓から見える夜空を見ていた。
 ……なんだか、セイの行動が考えられずに……心配で、不安で……眠れない。

 気晴らしになんか飲もうと考え、俺はベッドから立ち上がり、リビングへ向かった。

「あっ」

 椅子に、セイが座っていた。
 俺は思わず声を出し、セイが俺の声に気付いたのか振り向く。
 そして慌てて何かを隠したが、暗闇なので、俺は何を隠したのか分からなかった。

「どうしてここに?」
「ああ……眠れなくてな。お前は?」
「わ、私も眠れなくてさ」

 セイは「あはははー...」と苦笑いする。
 俺は冷蔵庫からお茶を出して、それを飲み干す。

「ねぇシルバー?」
「……なんだ」
「明日! 明日さ、バトルしようよ! ポケモンバトル!!」

 長い黒髪を揺らしながらセイは言う。
 俺は一瞬きょとんとする。
 まさかセイからそんな言葉が出るとはな、と。

「……いいだろ。その代り1回だけだぞ」
「分かってるって!!」

 セイは手をグーにして無邪気な笑顔で言う。
 ……悪い奴ではなさそう……かもな。


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