二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ポケットモンスターSPECIAL *星の欠片* ( No.55 )
日時: 2010/02/25 20:35
名前: むつみ ◆I74UefpcV. (ID: DJvXcT4Z)
参照: セイの豹変理由は次回分かるy(

第6話[セイVSシルバー(後編)]

「オーダイル!!」
「……頼むよ、クロ!」

 やはりシルバーはオーダイルを出してきた。
 私はブラッキーのクロを出す。この子は私が一番長い付き合いのポケモンであり、信じあえるポケモン。

≪セイ、俺、頑張るから……な!≫

 そんな、クロの声が聞こえる。
 ……本当に、クロはモモにとっての最高のパートナーでもあるよ。
 モモはいつも頑張っている……本当は私が代わりになれるわけじゃないけど……いなくなった……〝陽奈多〟の分まで頑張ってる。

 ……だからその分私も頑張らなきゃ!!

「〝怪しい光〟!」
「……くっ、避けろ! 〝高速移動〟!」
「さすが、シルバーを信頼しているだけあるポケモンだね。……〝シャドーボール〟!」
「ああ。ある日無理矢理俺が連れてきても嫌な顔一つしなかったしな。〝切り裂く〟!!」
「へー、無理矢理連れてきたって……どうやって連れてきたの? 〝騙しうち〟!」
「……盗んだって言ったら?」
「べっつに驚かないけどね。……まぁ盗んだのには理由があるでしょうから。私は追求する気はない」
「……もうそろそろ余裕ぶってられないな。……〝ハイドロカノン〟!!!」
「来た!!!」

 そんな他愛のない会話をしながら攻撃しているうちに、やっとシルバーが〝あの技〟を指摘した。
 ……ハイドロカノン。この技を待っていた!!
 そのハイドロカノン、それはクロに直撃し、まともなダメージを受けた。

「ずいぶん余裕ぶっているな。……まぁ次のターンを動けないだけになにか作戦でも立ててるな?」
「図星よ!! 〝しっぺ返し〟!!!!」
「何ッ!?」

 しっぺ返し……それは自分が後攻の時、相手から受けた技を2倍で返すことが出来る。
 たとえ物理攻撃でも、特殊攻撃でもね。
 ちなみにもともと私のデータによると、ブラッキーよりオーダイルのほうが素早さが高いため、このしっぺ返しは有効であったが、相手が高速移動をしてくれたため、最大のチャンスを得ることが出来た……と言ってもいいかもね。

「オーダイル!」
「体力が残っていたみたいだね。〝わずか〟だろうけれど……。念には念を入れようか! 〝月の光〟!」

 月の光で、さっき受けたハイドロカノンのダメージを回復。
 ……これも私の想定内。

 そして、次のターンで決まる!!!

「とどめよ! 〝電光石火〟!!」

 指を指し命ずると、目にも止まらない速さでクロはオーダイルに突っ込んでいく。
 きっと、シルバーは次のターン、ハイドロポンプを撃とうとしたよね。でもダメだった。

「こ、これって……」

 ブルー先輩は少しびっくりしていた。
 私の強さに? 作戦に? 技の威力に? ……全部違うと思う。
 きっとそれは……私の行動かも、ね。自分でもよくわからないけど……。

「……シルバー……」
「……」

 シルバーは草むらにペタッと膝をつけた。そして俯いていた。
 私は、……〝金色の瞳〟で彼を見つめる。

「……お前は、それが本当の実力なのか?」
「せ……い?」
「お前はその実力で私に勝てるとでもいうのか? ……突然の事だろうが……それが本当の実力なら……〝ハイドロカノン〟を出すくらい本気であれば……お前は、どうやって悪の組織に勝てると? ……それでよく……〝図鑑所有者〟としていられるのだな」
「……なに言って……」
「……ふふっ、さぁ、勝負もついたし、ちょっとお昼寝しよっかなぁー」

 私はくぅーっと腕を上にあげて空気を吸う。
 ……なんて気持ちいいんだろう。カントーの空気は。


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