二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: キノの旅-the my world- ( No.5 )
日時: 2010/05/10 16:12
名前: 工場長 ◆/UYeS30HBo (ID: F69kHN5O)
参照: F…ファンキー M…モンキー B…バタコさん

「仲良しの国 ※中編」

その国には、赤褐色のレンガ造りの壁に平らな屋根の住宅が、列をなすように道路を挟んで両側に立てられていた
だから家ばかりであるかと言えばそうでもなく、遊歩道には街路樹が一定の間隔を持って並んでいた
また、町の中には緑に覆われた公園もちらほらとある

その中でキノとエルメスは、たくさんの人に四方八方を囲まれ質問の嵐に飲み込まれていた

「旅人さんなの?」「男の子なの?」「向こうから来たの?」「このモドラドに乗って旅をしてるの?」「観光に来たの?」

そんな質問にキノは
「はい」
「いいえ」

と一つ返事で返しつつ、まず町の人たちにホテルの場所を聞いた。勿論ふかふかのベットとおいしい食事が付いている条件を付けて
それならあそこだ、とみんなが口をそろえて言ったホテルへキノは宿泊することにし、町の人に礼を言いホテルへとエルメスを走らせた

*     *     *     *     *     *    


「おかえりキノ。どうだった? この国の料理は」
「最高」
「お、味にはうるさいキノが高評価だね」
「うん。焼いた肉を野菜で巻いて食べる料理がよかった。そのほかにも、果物を絞ったいろんな種類のジュースもあった。——ああ、おいしかったなぁ……」
「食べすぎは体に毒だよ。いつものこととはいえ注意しないと」
「そうだね。できる限り気をつけるよ……んー」
「どしたの?」
「食べ過ぎて眠い……。今すぐベットに体ごと投げ出したい……」
「もう恒例行事みたいになってるね。くどいようだけどすぐ食って寝ると——」
「ハイハイおやすみ。また明日ね」

ぼふっ。と重い音がして、キノは体をベットにずぶずぶと沈ませていった。心の底から嬉しそうな顔で
部屋を少女の寝息だけが聞こえる静寂が包む

「……牛じゃなくてバイソンにでもなるんじゃないの?これ」
二輪車は少女に呆れながら言った