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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Episode2 ( No.7 )
- 日時: 2010/03/01 21:53
- 名前: 雫 ◆dflfIJckpA (ID: l/xDenkt)
「降り出してきたわね。雅ちゃんも早く帰りなさいよ」
「あ…はい。すみませんでした」
一礼して先の言動を詫びる。
遠のいていく背を見つめ、後を追うように直ぐそこの自宅まで疾走。
振り返った先に、青年らしい人影は何処にも見当らなかった。
2. Astral projection!?
飛び込む勢いで玄関前に辿り着き、上がった息を整える。
落ち着いたところで鞄からミニタオルを取り出し、水滴を拭き取りながらドアの取っ手に触れるもそれがひとりでに動いた為に一歩後退する。
「うわ、濡れてるし。今朝の天気予報見てなかったのかよ」
「面倒だから持ち出さなかったの。 それより先に言う事があるんじゃない?」
中から顔を覗かせたのは弟の陸。
先に帰宅していたらしい、逆に雅が早い場合もあるのだが、こうなる時の為にと陸にも複製した鍵が渡されている。
食べかけのチョコスティックを片手に「おかえり」とぶっきらぼうに雅を迎え入れ、どういう経緯でか靴棚の上に置き忘れていたらしい携帯を手に取るとリビングにすっ飛んで行く。
その背を目で追いながら微笑ましげに「ただいま」と雅。
真っ先に自室で着替えを済ませ、それを見計らったように届いた葵からのメェルに返信を終えると夕飯の支度にとりかかるべく部屋を出る。
ガタッ──
「ん?」
突如、それを阻むかのように室内から聞こえてきた不可解な物音に足を止め訝しげに中の様子を窺う。
特にこれといって異状は見当たらず、気の所為かと踵を返しドアを閉めた直後だった。
「Hey,雅!」
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