二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 白雪と花弁 【BLEACH】 ( No.29 )
日時: 2010/03/12 20:25
名前: 凛 ◆KM/REaTgCs (ID: HFyTdTQr)

第12話 *知らぬ涙

「……」

黙って濡れ雑巾を持ち、掃除を開始する

「!!」

ピクッと反応すると、素早く見知った霊圧から逃げる

霊圧を消し、瞬歩で逃げた

そう、霊圧の主は乱菊と小夜だったのだ

「あれ? 雪の霊圧を見失ったんですけど」

「霊圧を消したのね……全く」

2人が何処かへ行った後、密かに掃除を続けた

「みぃ……ごめんなさい」

ポタリ。何かが落ちた

「何……で……」

ポロポロと後から後から止め処なく涙が頬を伝い落ちる

ゴシゴシと拭っても拭っても涙は溢れ、薔薇色の瞳から零れ落ちる

白花色の長い髪が顔を隠す

掃除を終え、素早く自室に戻る

部屋の隅へ座り込み、1人で泣く

「ッ……どぉして……私は認めてもらえないの?」

其処で泣いているのは、3席でない

唯の『雪』だった

近くにあった鏡に、己の姿を映す

鏡の中で白花色のロングヘアの少女が泣いていた

「なんで……私はこんな髪の毛と瞳なの?」

鏡の中の自分に問いただす

けれども答えは返らない

部屋には悲痛な少女の叫びしか聞こえない

「ッ!」

雪は、誰にも知られずに泣き続けた