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32：“愛”なんて羽よりも軽い

「やぁやぁ来たねボンゴレ諸君」

屋上にはすでに先客がいた。

裄がリモコンを片手にモニターのスイッチを付ける。

「ヴァリアー戦では屋上で戦ったんだっけ?今回避雷針てきなのはとり付けられなかったから、スプリンクラーと決まった時間に電流が流れる装置を置かせて貰ったよ」

裄が指さす方向・・・屋上は水浸し、観客席までくることはないが。

そしてタイトルコールが入る。

「それではぁ嵐戦ッ。始まるよ〜」

ぴょんぴょんとスキップしながら行く蓮華と、後から静かに歩く祠堂。

その後には桜がランボを抱えて歩く。

＿＿＿＿ピチャッ

それぞれ向かい合って今すぐにでも戦闘が始まろうとしている。

いや、実際は始まっているのだが双方とも攻撃を取らない。

そして一番最初に動いたのは

「がはははは!雨だもんね—!!勝手に滑ってろボケェ!」

空気を読めずに桜の手の中から出て走り回るランボ。

桜はランボの方にハッと顔を向ける。

その瞬間に

「甘いですね。桜！」

祠堂が動き出す。

ドォォォォンと強烈な衝撃音と共に鉄槌が振りかざされた。

桜は無駄な動きを取らず少しのロスで鉄槌を避け祠堂の背後に回る。

シュルルルルッ

祠堂に鎖鎌を投げつけて縛る。

しかし祠堂は鉄槌を後に投げる。

其れは綺麗に桜と祠堂の間に入り込もうとして、桜は鎖鎌を離すかほどくかしなくてはいけなく、桜の選択はほどくへと身を進む。