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66：過去

『ただ僕の名前から取ったと言ってはいけない。僕だってちゃんとした理由を創った、それは』

レイツェルはそう言うと憐の目線に合わせるようにしゃがみ込んで言った。

『———それは、囚人・奴隷番号零から、だよ。零はレイとも読むよね?それからもじって憐にしたんだ。』

ふふっとレイツェルは笑った。

『ああ、それと・・・。僕との縁は切っておこうね。憐と僕の関係は、知り合い、だ。』

幼き憐は顔を見上げてレイツェルの方を見る。

レイツェルはにこと笑って憐に言った。

『どんな関係でも、だよ』

そう言うと憐はレイツェルの方を見てやっと言葉を発した。

『レイ兄との“兄妹関係”も?』

そうだよ、とレイツェルは言うと憐の頭を撫でた。

そしてレイツェルはどこか遠くに歩いて行った。