二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ボンゴレ一世と亡国の王女 ( No.211 )
日時: 2010/04/02 16:57
名前: 蒼井瑞希 ◆AKXdr04juU (ID: 8TaBVFdu)

 
 進学する学校の新入生代表の言葉を述べることになり、
 ちょっとブルーな蒼井です(あれ?ダジャレじゃないですよ?)
 えっと、ヒバリン、行きまーす!(アム○?)

 愛されてると思う…
 人間嫌いのあなたが私を見るときだけは優しいから
 けどね…いつから私、こんなに欲張りになったんだろう
 ただ愛されてるだけじゃ…足りないの
 どうすれば あなたの傍に永遠にいられるのかしら
 どうすれば あなたを私だけのものにできるのかしら
 純粋に愛するという感情なんてとっくの昔に無くしちゃった
 でも……
 好きなの…好き
 この気持ちは決して悪意なんてないちゃんとしたものだから 
 こんな私を愛してくれているあなたに感謝します

 全てははかりごと

「……」
 ムスッ。機嫌が悪い。
 この僕を置いて勝手にどこかへ行くって、どういうこと?
「いい度胸してるね」
 ガチャッ。僕は、君の部屋のドアを開けた。
 あれ、入るななんて、言われてたっけ。
 まあ、いいや。君への仕返しだよ。
 僕は、室内にツカツカと入っていった。
 へえ…女の部屋ってきれいなものなのかな。
 ちゃんと片付けられている部屋は気持ちがいい。
 僕の家の風紀を乱されちゃ困るからね。
 でも、部屋に変なものなんて無い。なんで、あの子は入るななんて言ったんだろう。相変わらず、よくわからない女だ。
 そのとき、風が吹いた。開いた窓から、風が入ってくる。
 あの子の机に置いてあった何枚かの紙が、飛んでくる。
「……?」
 何これ。診察書?
 さらにそれを見て、僕は。愕然とする。
 そこに書かれていた病名、それは不治の病。かかると一年といわぬ間に命を落とす病気。血液などとは関係ないために、人に移ることはないものだ。
 ウソに決まってる。第一、この紙があの子の診察書かどうかもまだちゃんと見てないし。
 僕は落ち着いて、もう一度その紙をよく見た。
「……」
 確かにあの子の名前。そして病気は不治の病。
「……何これ」
 僕は、今度は口に出してつぶやいた。
 君…死ぬのかい?
 人間だから、僕より早く死すのは仕方ないと思っていた。けれどそれが、こんなにも早いなんて。
『吸ってください』
 半分遊びのような、でもどこか必死な君の顔が思い浮かぶ。

 血を吸われれば、人間は吸血鬼になり、ずっと生きてられる。

「……それか?」
 僕は、つぶやいた。しかし、すぐに首を振る。
 きみも知っているはずだ。血を吸われて吸血鬼になった者は、心を失う。生きているだけで、ただ血を吸うための機械になってしまう。
 家族も友人もいない、言ってしまえば知り合いが僕しかいない君の…そこまでして生きる理由…

「あなたといたいから」

 ふいに聞こえた声。
「そうに決まってるでしょう?ヒバリン様」
「……君」
「見たんですね…」
 君は、僕の右手を見る。
「部屋に入らないでって…言ったのに…」
「どういうこと」
「…え…?」
「この病気、どういうことだい?説明しないと、怒る」
「……見たとおりです」
「!」
 嫌だ。信じたくない。
「…ご飯…作りますね!」
 君は、駆けて行ってしまった。
「……」
 君が死んでしまう。
 それを理解したとき、僕の中に理性なんて、なくなっていた。

「……」
 彼女は、口元を押さえた。
「ごめんね、ヒバリン様…」
 ウソを……ついてしまったの。