二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 幻想郷放浪記 ( No.1 )
- 日時: 2010/11/07 04:11
- 名前: 昨日の今日 ◆7LxmAcs00. (ID: t51BWMGM)
前書き
桜が咲き乱れるこの春。私は日課になっていることがあった。
一本の桜の木のしたにいる男性…「おじさん」に弁当を作ってあげることだ。
おじさんはいつも煙草を食わえていて、目は常に半開きで、いつも木の下で眠っている。
このおじさんとは奇抜な出会いをしたんだけど…まぁそれは置いといて…
「おじさん、また弁当作ってきたよ」
「ん…さんきゅ」
おじさんは気怠そうに立ち上がる。そして首を二、三度鳴らす。
「おーおー、こんなに豪華とはねぇ。早速いただきます」
そういって一つ玉子焼きをつまむ。
「…相変わらずこの玉子焼きしょっぱいな」
「文句言うなら作らないよ」
「はは、おじさんはそんな態度をとる女の子は大歓迎だ」
そういって今度はおにぎりを頬張る。「うまい」と言いながら。
「ほんと、おじさんて食欲だけは旺盛だね」
「何、性欲もおうs」
言い切る前におじさんの頭を叩く。
「おじさん、セクハラって知ってます?」
「わーったよ。いってぇな」
おじさんはいつもこの調子だ。いつもちょっかいをかけ人をからかう。この人大丈夫かなぁ…。
「ん。もう時間だ。おじさん、じゃあね」
「なんだ、用事でもあるのか」
「私はおじさんほど暇じゃないんです」
「いつも暇みたいに言うな。俺だっていつもはだな」
「はいはい、分かりましたよ! とにかく急ぐから」
「へいへい。道中気を付けろよ」
そう言っておじさんは弁当箱を抱え手を振りながら歩いていく。おそらくまた桜の下で食べるつもりなのだろう。
ほんと、変わった人だな。
おじさんの後ろ姿を見送った後、小走りで約束の場所へ向かう。
変わった事があったのは翌日だった。
いつも桜のしたにいるはずのおじさんがいなかったのだ。
私は面食らった。おじさんはどこに行くとも言ってないのだ。
とりあえず、私は弁当箱を置いてさっさと家に帰ることにした。この時はまだ、戻ってくるだろうと思っていた。
しかし、おじさんは姿を見せなかった——
前書き終了
主役はおじさんってことで。