二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 幻想郷放浪記 ( No.10 )
日時: 2010/11/07 04:26
名前: 昨日の今日 ◆7LxmAcs00. (ID: t51BWMGM)

ようやく三人の妖精は起きた。辺りはもう暗くなっていた。

「ふぁ…あ。おはよー」
「よく寝た…」
「どうもありがとう。膝を貸してもらって」

三妖精は自分の思っていることをしゃべっていた。

「ん、おはよう。さて、お待ちかねの宴会が始まるみたいだぞ」
「別にお酒が飲みたかったってわけじゃないんだけどね。でも参加させてもらうわ」

サニーは満面の笑みだった。八重歯がよく見える奴だな。

「サニー、寝癖がついてるよ」
「えっ、本当!? もー…」
「ほら櫛。これで直して」

こうやっていると姉妹のようだ。髪の色は違うけどな。

「…なぁ、そういうスターも寝癖がついているんだが」
「え?」

スターは慌てて髪を触る。

「あ、本当…」
「はっはっは! スターがお姉さんぶるなんて百億光年早いのよ!」

サニーは高らかに笑っている。

「光年は時間じゃなくて距離だぞ」
「え!? そうなの!?」

…駄目だこの妖精。

「もう二人とも恥ずかしいでしょ」

ルナはため息をついた。
確かに見てるこっちが恥ずかしくなるな。

「うぅ…なんでサニーじゃなく私まで…」

何故かとばっちりを受けたスターが呻く。

「ほら、サニーはスターに櫛を返してあげなさい。…おじさん、恥ずかしいところを見せてごめん」
「なに、気にするな。こういうことがあるのもいいことだろう。…流石にあれはないけどな」
「だよね…はぁ…」

ルナは苦労人だなと思っていると霊夢から声がかけられた。

「すみません。ちょっと頼みごとがあるんですけどいいですか?」
「ああ、かまわんよ。どんと来なさい」

ドンッと胸を叩く。

「頼もしいですね。では早速…」



「…で、この宴会に使う道具を運べ、と」
「はい。お願いできますか?」

俺は神社の裏の倉庫に来ている。そして積み重ねられた道具を見上げている。

「しかしこりゃまた大量にあるな。そんなに人が来るのか?」
「ええ。まぁどっちかって言うと妖怪とかの割合が多いんですけどね」
「そうか…。まぁ無理な仕事ではないからな。手伝うよ」
「本当ですか?」
「もちろんだ。せっかく呑ませてもらうのに手伝わないのはあれだしな」
「助かります。宴会に参加する人はほとんど手伝わないもので…」
「そりゃ…ご苦労様です」
「はい…それじゃ、よろしくお願いします」

そう言って霊夢は倉庫から出て行く。他にも仕事があるのだろう。

「さーて、いっちょやりますか」

俺は早速作業に取り掛かった。



「あ〜…これはきついわ」

道具は思いのほか重く、さらには量も多い。
俺は三往復目ぐらいで愚痴を言い始めていた。

「これを平気な顔でこなす霊夢も霊夢だが…飲みに来る奴らはひどいな」
「…あの、やっぱり手伝おうか?」

三妖精は俺を心配しているようで、さっきからしきりに「手伝おうか?」と聞いてくる。

「いや、純粋にこれは重い。怪我でもしたらやばいから手伝わなくていい」
「確かにサニーはもう日光浴できないから怪我したら宴会に出れないかもねー」
「何よ! 嫌味なの!?」

やれやれ、こいつらの喧嘩パターンは誰かが挑発することから始まるのか?

「とにかく喧嘩してないで大人しくしろって。手伝うなら霊夢とかにしてくれ」
「「「はーい」」」

三妖精は口を揃えて返事をする。仲がいいのか悪いのか。

書き始めたけど眠くなったから中途半端になった第七話。
楽しい楽しい宴会は次くらいに書きます。