二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 幻想郷放浪記 ( No.19 )
日時: 2010/11/07 12:04
名前: 昨日の今日 ◆7LxmAcs00. (ID: t51BWMGM)

「失礼します」

意を決して八意永琳の部屋へ入る。そこは見慣れた部屋があった。

「……どうぞ」
「あ、あの……その……」

あれだけ練習したのに言葉が出てこない。
『ごめんなさい』それを言えば後はすべて言えるんだ。

「ごめんなさい」

え——?
私は永琳さんの方に顔を向ける。そこには、目が赤くなった永琳さんの姿があった。

「私がバカだった……師匠ともあろう者が弟子の気持ちを一つも理解してないなんて……とんだバカ師匠ね……」
「そんなっ…バカなのは私です。よくよく考えればくだらないことで……悪いのはあっちだって決めつけて……仲間のことを思いやらずに永琳さんに当たるし……私がもっとバカです」
「いいや、私の方がバカよ」
「私の方がバカですよ」
「私の方がバカってことにしてよ」
「どっちがバカかって言ったら私の方がバカです」
「私よ!」
「わーたーしーでーすー!」
「……フフッ」
「あはは……」

私たちは笑い合った。これ以上無いくらいに。

「……ねぇ、鈴仙」
「……何ですか?」
「私たち、ずっとこの関係でいましょうね」
「……はい!」

そして抱き合った。これ以上無いくらいに。

「さて…と。そろそろご飯にしましょうか。あの人を呼んできて。治療室に居るから」
「はい。すぐに呼んできます」

はやくあの人に会いたい。会って、話しをしたい。
あの時のお礼を、謝罪を。早く会ってしたい。
いつもより早く治療室に着いたのはおそらく走ってきたからだろう。気がつかないうちに服が乱れている。
きちんと整え、息を一回吐き、治療室に入った。

「おじさん! ご飯ですよー!」

そこにはいつもと変わらぬ、治療室があった。
しかし、そこにおじさんの姿は無く、煙草の箱が一個、椅子に置いてあるだけだった。



永遠亭編完結。これは第十六話です。
この編でおかしいところといえば、おじさんのパンチで何故鈴仙は倒れたか、ということです。
仮にも彼女は幼獣です。普通の人間のパンチなんか普通効きませんが……
ま、これは後ほど紫の人が教えてくれるでしょう。多分。
では、次回は番外編でも書こうかなー。
気が向いたらやりますよ。
ではではー。