二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【東方】幻想郷放浪記【オリジナル】 ( No.37 )
日時: 2010/08/05 23:23
名前: 昨日の今日 ◆7LxmAcs00. (ID: t51BWMGM)

「……とりあえず、落ち着かれましたか?」
「ああ、すまないな。お茶まで出してくれて」
「……」ビクビク

少女は俺達の状況を見るやいなや、応接室みたいなところに入れてくれた。
俺はすぐに落ち着いたのだが、タイムはまだ怯えており、固まっているだけだった。

「えっと、自己紹介からしますね。私の名前は古明地さとり。この屋敷の主をしています。よろしくお願いします」
「よろしくな。俺は」
「おじさんと呼べ、ですか」
「……? なんで分かった?」
「へ? ……あっ! すみません。勝手に心を読んでしまって……」
「こころ……? それはお前の能力か」

さとりは申し訳ないといった顔で続けた。

「はい。普段は心を読んでも言わないように心がけているのですが……つい、口走ってしまいました」
「いや、いいんだ。しかし心を読むか……。中々に便利そうだな」
「……そうでも、ないですよ」

急にさとりの顔が曇る。

「ん。すまない、軽率なことを言った」
「あっ……もしかして私、嫌な顔してましたか?」
「何と言うか、顔が曇ったというか」
「……ごめんなさい。どうも私は表情に出てしまうみたいで」
「いや、謝らないでくれ! 俺も気持ちを考えずに言ったわけだし」
「ありがとうございます。……貴方は優しいんですね」

さとりは柔和な顔を浮かべる。

「そうかな……」
「ええ。私の能力を便利そうだって心から思ってくれていましたから」
「んー。俺はあまり嘘とか嫌いだからな。なるべく本当のことを言おうと心がけているんだ」
「そうですか。……今、こいつには隠し事は無理だって考えたでしょう?」
「う。すまん」
「いいえ。それが普通の反応ですよ」



さとりは誰にも聞こえない声で、「嫌がらないでうれしいです」と呟いた。

「ん? 何か言ったか?」
「いいえ。何もありませんよっ」
「???」
「とりあえず、今日は休んでください。お疲れでしょう」
「お言葉に甘えさせていただこうかな」
「では、ついて来てください。案内します」

というわけで、何とか寝床を用意してもらえるみたいだ。

「タイム。行くぞ」
「は、はいぃ!?」
「大丈夫か、お前……」
「だいじょーぶです!! は、早く行きませう!」

その割には足がめっちゃ震えてるし、言葉もなんかおかしいぞ。
とか……思ってても言わない方がいいだろうな。

「うふふ。おじさんはホント優しいんですね」
「おわっと!? ……読んだ?」
「すみません。でも勝手に読んでしまうんです」
「そうか……あーなんか恥ずかしいなー!」



「ふぅ……」

さとりに部屋を案内され、椅子に腰をかけてくつろいでいるところだ。
しかし……

「何か、広いな……」

部屋は俺の予想を遥かに裏切った。
すげぇよこれ何畳分あるんだろ。
ベットも何かふかふかしてそうだし。家具も何か触り心地いいし。
至れり尽くせりってこのことを言うんだろうな。
……違うのかな。

「まぁいいかぁ」

そんな独り言を吐いた。
部屋のことはいいとしよう。問題はだ。

「すぴー……」

何故、タイムが一緒に居るのかってことだ。つーか寝てるし。
……まぁさとりの心遣いかもしれんが。

「俺、間違いを起こさないようにしよう……」

怒ってナイフを飛ばしてこられたら困るし。
あーしかし、二人きりという状況は中々にドキドキしてしまう。健全なる男子諸君ならばそうだろう。
……タイムって結構美人だし。
い、いかんいかん! 何を考えとるんだ俺は!!

「少し寝るか……」

幸い、ベットは二つ用意されている。
俺は身をベットに投げ、そのまま眠りについた。





どもども。
第二十五話です。
ここから展開を盛っていきたいと思います。
今日はもう一話書こうかなと思ってます。
ではではー。