二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【東方】幻想郷放浪記【オリジナル】 ( No.38 )
- 日時: 2010/08/05 23:22
- 名前: 昨日の今日 ◆7LxmAcs00. (ID: t51BWMGM)
「……んぅ。ふぁ〜……」
ぐっすり眠れた。タイムは……まだ寝ていやがる。
まああれだけ騒げばそりゃ疲れるわな。
「うぅ……」
お? 起きるか?
「ちょ、なにやってんですか。……だめですよぅ」
どんな夢見てんだこいつ。
そもそもこんなにはっきりとした寝言聞いたことねぇよ。
「にゅ……ちょ、どこさわってんですか。せくはらですよぅ」
……何やら危ない夢のようなのでこれ以上は聞かない方がいいだろう。
ていうか起きろ。
俺はタイムの肩を揺らす。
「おいタイム。そろそろ起きろ」
「ん……?」
とろんとした目付きでこっちを見てくる。
何とも可愛い……いやいやまてまて。
「おーい。寝ぼけてないでさっさと……」
「んふふー」
何がそんなにおかしいのだろうか。タイムは笑った。
あれ……すっごい今更だけど俺たちって敵同士だったよね?
「おーじーさーんっ」
「うおっ、ちょ、引っ張るな!」
「あははー。いっしょににねましょうよー」
お前それ本気で言ってんのかていうかこいつ寝ぼけてるのか素なのかはっきりしろよおい。
「そーれい」
「ぬおっ!?」
バフッと俺はバランスを崩しタイムが寝ているベットに倒れる。
そして向かい合う形で俺達は横になった。
「ぬふふー。あったかいですねぇ」
うるせぇ俺は冷や汗かきまくりだ。
ていうか、ホントもうそろそろ起きてくださいお願いします。
「……」
「た、タイム……?」
「……ふにゅ」
「寝るなぁ!」
「ふぬ。なんですかおじさん。きもちよくねてたのに」
「いや……あーもう。じゃあせめて俺だけだも離してくれ」
「わたしとはねたくないですか……?」
やめろ、そんな目で見ないでくれ。
「……」
「じゃあいいじゃないですかー」
あーくそ……。
「……じゃあ、少しだけだぞ」
「わーい。おじさんありがとうございます」
俺ってさぁ……
優しいっていうよりも甘いっていうほうが適切なんじゃないか……?
「……」
「すぴー……」
「……」
「すぴー……」
タイムからなにやらいい匂いが漂っている。
シャンプーかな。
「……」
「ふにゅ……すぴー……」
……することがない。
さっき眠ったから寝ようにも寝れない。
そもそもこんな状況でおちおち眠ってられない。
何となく、このことをタイムが覚えてなさそうだからだ。
だから、俺が眠っている間に刺されたらと思うとぞっとする。
「……はぁ」
「すぴー……んぅ……えへへ……」
ときどきだがタイムは寝言を言っている。
まぁ幸せそうだからなによりなんだけど。
「……」
「すぴー……うぅん」
あーくそかわいいなーちきしょーめ。
その反則的なまでの可愛さをどうにかしろ。
いかん、変な汗かいてきた。
……今なら、そっと抜けれる気がする。
俺はそ〜っとベットの端に移動する。
「むぅ。おじさんどこいくんですか……」
「何故バレたし」
「えへへー。わたしにはわかりますよーだ」
あーもうホントいきなり話しかけられるからビビる。
こいつ本当に寝てんのかよ?
結局、俺はそこから逃げることが出来なかった。
それからいくらか経った。
「うん……? ふぁ〜〜〜……」
「やっと起きたか……」
「あ、おじさん。えへへ、結局居てくれたんですね?」
……はい?
「お前……覚えてんのかよ?」
「え? はい、勿論ですよー?」
こいつは寝ぼけていても記憶があるということが分かった。
「そうか」
「? どうかしましたか?」
「いや、なんでも」
……ナイフで刺されるとかなくてマジで良かった。
「あ! そういえば!」
「ど、どうした?」
「……私たちって敵同士でしたっけ?」
「今更言うか……まあ俺も思ってたけどさぁ」
「まーあれです! 今はそれは無しにしましょうか!」
「そうだな。お前が怖がりだっていう面は誰にも見せたくないだろうからな」
「ちょっ……おじさんがいじめるー」
俺は出会うときは関わりがない人として出会いたかったと思った。
どもども。
第二十六話です。タイムの可愛い部分を出せればいいと思って書きました。
またいつか書きますので、その時はお楽しみにしていてください。
ではではー。