二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【東方】幻想郷放浪記【オリジナル】 ( No.52 )
日時: 2010/08/27 00:11
名前: 昨日の今日 ◆7LxmAcs00. (ID: t51BWMGM)

「……」
「何よ。もうちょっと好意的に歩み寄ってよ。つまんないの」

そう言われてもだな……

「こいしだったか? なんで俺が一人の時に話しかけたんだ?」
「む。大勢じゃないとダメなの?」
「なんていうか、いきなりすぎるからな……」
「ま、もともと私が操ってここに呼んだんだし。そりゃ一人になるよ」

……え?
こいしは今なんと言った? 操った?
能力使ってまで俺と話したかったとでもいうのかよ。

「えー……念のため聞くけど。お前はどうやって俺を操ったっていうんだ?」
「教えないよ」
「なんで」
「反応が薄いんだもん、あなた。他の皆はもっと一杯驚いてくれたっていうのに」
「ああそうかい。まぁ別に言いたくないなら言わせることもないしな。で、お前の目的はなんだ?」
「目的っていうほど大それたことじゃないんだけどね。ま……これだけは言っておかないと分かりづらいかもだし。一応言っておくね」

やりづらい。
お燐以上に対応がしにくい。
いや、お燐の方がまだマシか。
こいつは、何かがおかしい。
どこがおかしい、というのはまだよく分からない。
しかし、それは本能的に分かった。
気がつけばこいしは俺の目の前までいた。

「ねぇ、そろそろ話を始めてもいいかな? おじさんボーっとしてるよ」
「あ、ああ、すまない。続けてくれ」
「ん。じゃあ一応結論からいうけど……私のお姉ちゃんが狙われているの」
「お前の姉ちゃん?」

はて、こいつに姉がいるなど一切聞いていない。
思い出せ……こいつは古明地こいし。古明地……あ。

「さとりのことか」
「そうそう。とにかくお姉ちゃんが狙われているの」
「待て。狙われているったって、誰が狙ってんだよ?」
「分からない。……でも、少なくとも、この地霊殿の住人が犯人だと思ってる。いや確信って言ってもいいよ」
「住人ねぇ。俺はさとりとそのペットぐらいしかしらないんだが、それでも結構いるんだろ?」
「うん」
「なら犯人を探し出すなんて、ほとんど無理だろ。それこそお前の姉ちゃんを尾行して探るしか」
「いや、お姉ちゃんは必要の時以外、絶対に部屋の外には出ないよ」
「ああん? 今日は外に出てたぞ? それも、『少しブラブラしてます』って」

俺はさとりに会ったときのことを思い出す。
確かにあれは廊下であった。しかも、さとりの部屋とは全く別のところで出会った。

「……やっぱり」
「何が」
「もうお姉ちゃんは襲われているんだよ。じゃないと、部屋から逃げるように出るなんてありえないもん」
「あー……こういうのも何だがな。もうちっと姉ちゃんのこと心配してやれよ。もしかしたら本当にブラブラしてただけかもしれないだろ?」
「でも……!」
「とにかく、もうちょっとぐらい見守ろうぜ。お前なら、理由も直接聞けるかもしれねぇし」
「……うん、だよね。すこし早とちりしちゃったかな?」
「まぁ、姉が狙われているともなると、焦るのもしかたないと言えるしなぁ」
「えっと、勝手に連れてきてごめんね?」
「いや、いい。相談相手として頼ってくれたのは嬉しいことだ。ところでこいし」
「ん? なに?」
「なんで俺の名前を知ってるんだ?」
「あー、お姉ちゃんと話すときに話題になってるからね」
「話題?」
「そうそう。お姉ちゃんったら、おじさんがどうのーとか惚気話ばっかりしてくるんだから、困ってるんだよね」
「は、はは……」
「ま、幸せそうなお姉ちゃん見れるだけでもいいし。……それじゃ、そういうことで」
「ああ。気をつけろよー」

こいしは廊下の方へと走っていく。
……うん。後ろ姿はなんとなくだがさとりにしているな。
俺も部屋に帰らねぇと。
タイムがいろいろ小うるさいかもしれないし。
とにかくわーわーする前に、退散するとするかな。





どもども。今回から地霊殿編ですよ。
とうとう異変の片鱗が見えてきました。果たして、さとりを狙っている者とは。
そして、一体何が目的なのか。
乞うご期待。
第三十五話目です。
会話が多いのが今回の反省点ですね。次回はすこし気をつかってみようと思います。
ではではー。