二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 幻想郷放浪記 ( No.6 )
- 日時: 2010/11/07 04:22
- 名前: 昨日の今日 ◆7LxmAcs00. (ID: t51BWMGM)
「というわけで、酒を飲もうぜ」
「勘弁してくれ」
魔理沙が頭を抑えながら即答する。二日酔いのようだ。
「てかなんで私の酒持ってってるんだよ!」
「近くにあったから」
「そんな理由で…あーもー…」
「んー、じゃあどっか飲み会とかしてるところとかないか?」
「あー? そしたら博麗神社にでも行くといいよ。今の季節だと宴会が沢山あるからな」
「そうか。じゃあ宴会に行ってくる」
「ちょっとまてよ、一人でか?」
「んにゃ、妖精と一緒に」
「そうか…」
それだけ言うと魔理沙は言い返す気力もないのか机に突っ伏した。
「じゃ、宴会が終われば戻るから」
「あー…」
顔を埋めたまま手をあげてひらひらと振る。
「というわけでここにやってきた」
「いやあんた誰よ」
博麗神社と呼ばれる神社に来た(道案内はスターがやってくれた。二人はいがみあってばかりいた)
で、神社の前で掃除をしていた脇を露出している巫女に話しかけた。
「とりあえず自己紹介を。俺のことはおじさんと呼んでくれ」
「はぁ、私は博麗霊夢です。よろしく」
霊夢は「どうしてこうなった…」みたいな顔をしていたので説明をした。
「実は白黒の魔法使いにここで宴会があると聞いて」
「白黒…魔理沙ね。まったくここをどこだと思ってるのかしら」
「宴会場だな」
「そうでしょうね。でも宴会は日が落ちてからよ。まだ昼を過ぎたころじゃない」
「いやー、こいつらが酒を飲みたいと言って…あれ?」
「誰か居たんですか?」
「ああ、あの妖精が居なくてな…」
「ああ、だったらあそこに居ますよ」
霊夢が指を指した方向を見やる。
「…木の上にいるな」
「そうですね。いつもいたずらばかりしてる妖精ですよ」
「いやー酒でも飲んで友好を深めようとしてたんだがな」
「妖精と友好を深めようとする人間はほとんどいませんよ」
「そんなもんか」
霊夢の掃除を煙草を吸いながらぼうっと見ているとスターが近くに寄ってきた。
「どした。他の二人は?」
「喧嘩してますよ」
「止めなくていいのか」
「いいんですよ。最後には必ず仲直りです」
「そうか。お前も一本どうだ?」
スターの目の前に煙草の箱を差し出す。
「遠慮します。煙草のおいしさが分かりませんから」
「うーん、めちゃくちゃうまいんだけどな。まぁその辺はまだガキっつーことか」
「でもお酒は飲めます」
「つくづく不思議な所だと思うよ、ここは」
「…ちょっと横になりますね」
スターはあくびをしている。
「眠いのか」
「はい、ちょっと寝不足で」
「女の子が夜更かしとはいかんな。肌とか髪とか乱れるぞ」
「妖精だから肌は荒れませんよ。髪は乱れますけど」
「そうか」
そう言いながら俺は膝をポンポンと叩く。スターは目を丸くしてみていた。
「なんです?」
「枕が無いから膝枕でもしてやろうかと思ってな」
「じゃあ失礼します」
「ん、どうぞ」
スターは身体を横に倒して膝に頭を置いた。中々素直な奴だ。
流石にここでは不謹慎か、と思いながら煙草の火を消す。
そして俺は懐に手を突っ込み、魔理沙の家から持ってきた摘みを食べた。
眠気があって投げやり感がある第五話。いつものことだけどね。
ではでは。