二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【東方】幻想郷放浪記【オリジナル】 ( No.63 )
- 日時: 2010/10/12 00:46
- 名前: 昨日の今日 ◆7LxmAcs00. (ID: t51BWMGM)
「ただいまー」
そこで、お空の声が聞こえた。
仕事から帰ってきたらしい。
「おーくーうー!」
「うわっ。お燐、どしたの?」
姿が見えるなりお空に飛びつくお燐。それに驚くお空。
「あらら、おじさんもこんにちは」
「おう、こんにちは。ていうかこの部屋を見て何か変わったところはないかな?」
「かわったとこ……? あ! さとり様がソファに!」
今更かい。おいおいこいつ大丈夫なのか?
そんな感じで考えていたのをお燐は感じ取ったのだろう。
「大丈夫、いつもこんなんだから」
「大丈夫……なのか?」
どう見ても大丈夫ではなさそうだが……?
「ねーねー! これどういうこと!?」
「実はな……」
お空に俺が体験したこと、さとりが何者かに狙われていること、そして犯人を探しているということを話した。
お空は神妙な顔つきで話を聞いていた。
「だ、大丈夫なのかな……?」
ソファで寝るさとりの顔を見るお空。
「さあなぁ……こればっかりはどうとも言えない。何しろ犯人が不安定だからな」
「だよね……さとり様ぁ」
お空は既に泣き顔になっている。
そんなお空の頭を撫でながら、
「大丈夫だよ。私たちが犯人とっちめてやるから! だから泣かないで、ね?」
「うん……こんな顔さとり様に見られたら、なんて言われるか分からないから」
顔をぐしぐしと擦る。もうちゃんと決心したようだった。
「っと、ちょっと部屋に戻ってもいいか? 連れが不機嫌にならない内に帰りたいからな」
「うん、いいよ! じゃあおじさん、有力な情報を聞いたら一報を!」
「おう。じゃあな」
「ばいばいおじさん!」
俺は一切迷うこと無く借りている部屋に戻れた。
最初、遅くなった俺を怒り始めたタイムだが、俺が事情を話す内に段々と顔が青ざめていった。
「……ってわけでさ。さとりは今ちっとばかし不安定なんだ」
「さとりちゃん……」
「お前は何か知らないか? 些細な事でもいいからさ」
タイムはうーんと悩んだ後、
「いえ……私あまり外に出てないですから分かりません。『組織』の線も考えましたけど、ありえませんからね」
「どうして?」
「まだ占領地域には無い段階ですから。今は『霧の湖』周辺が限界です」
「でも、もし力の強い奴が入ったとしたら?」
タイムはまたもうーんと悩み、
「やっぱ無いです。こんな暗い地下を占領するよりも色々な所から攻め込める地上を先に占領するでしょうし」
「そっか……」
「うーん、私あまり役に立てそうにないです。ごめんなさい」
「いや、これでこの地霊殿に居る誰かが犯人ってのが分かった。それだけで十分だ」
タイムの頭を撫でる。
気のせいか顔が緩んでいる気がする。気がするだが。
「……うーん、ちょっと予想外だったかな?まさかこんなにも早く相手の仲間が見つかるなんてね」
「でも私も負けないよ……だから待っててね?」
「 お 姉 ち ゃ ん ? 」
どうもどうも。
第四十一話、いかがでしたでしょうか?
眠気と戦いつつ書いたんであまり出来の方はよろしくないかもしれません。
が、それなりに伏線は張れたんでよしとします。
ではではー。