二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【東方】幻想郷放浪記【オリジナル】 ( No.67 )
日時: 2010/11/07 13:14
名前: 昨日の今日 ◆7LxmAcs00. (ID: t51BWMGM)

「——させない!!」

瞬間、タイムの声が聞こえた。
そしてお空は倒れた。背中にナイフが刺さっていた。

「タイム……? なんで……!」
「助けに来たに決まってるじゃないですか! はやく行きますよ!」

タイムは俺の手を掴んで強引に連れ出した。


「はぁ、はぁ、はぁ……こ、ここまで来れば少しは安心です」
「こ、ここは……?」

俺はどこか分からない、暗い洞窟みたいなところに連れてこられていた。
そこにはお燐、さとり、そしてこいしがいた。

「ここは秘密の横穴だそうで。お空ちゃんにも知らない場所ですって」
「そうか……」

俺は入り口を見た。

「……お空」
「お空ちゃんが暴走した今、この地霊殿は不安定だそうです」
「不安定とは?」
「それは私が」

声を出したのはこいしだった。

「この地霊殿はお空が管理している溶岩地帯があるんだけど、お空の影響かそれがかなり安定してないの」
「つまり、その溶岩地帯がいつもとは違う感じってことか?」
「まあそんな感じ。今必死になって止めてるんだけど、溶岩が流れ出しそうなの」

つまり、それは流れだしたらここは一溜まりもないということ。
そしてお空はさとりと……そういうことか。

「止める方法は、ないのか……?」
「あったら苦労しない。でも、ないわけじゃない」
「推奨しないってことは、かなり難易度は高いんだろうな」
「…………」

こいしは頷く。

「いいさ、やってやる。それしかないんなら、それをするまで。教えろ、方法はなんなんだ?」
「……お空、『霊烏路空』を……殺害すること」

俺は言葉を失った。
いくらなんでもするとはいえ、まさかそこまで発展するとは思わなかったからだ。
「そんな……っ!」声を出したのはタイムだった。

「本当に、それしか方法がないの!?」
「ない。だからあったら苦労はしないって言った。どうするの?」

最後の言葉は俺に向けて放ったものだった。

「……それしか、方法がないなら……」
「おじさん……!?」
「なあ一つ聞かせてくれ。お空はどうやってその溶岩地帯を制御してんだ?」
「お空の右手にある制御棒。……言っておくけど、あれを無理やり外そうとしても駄目だよ。それなら壊すしか……」
「あんじゃねぇか」

え?とこいしは素っ頓狂な声を出す。
俺はニヤリとしながら、

「お空を救う方法、あんじゃねぇか。それを最初から言え馬鹿」
「で、でも……っ!」

こいしはそれでも、無理だと言う。

「あれはそんな簡単に壊れるようなものじゃない。それこそ溶岩に突っ込んだって歪みすらしない。そんなものを……」
「そんなものを俺がこれから壊すんだ」

俺は入り口へ向い、

「……皆は逃げろ。ここの住人引き連れて、外に出るなりするといい」
「おじさん……また一人で無茶するんですか?」
「安心しろ。俺は必ず帰ってくるからよ」
「そうじゃないです」

ん?と俺は言った。
タイムは、生き生きとした目で、

「少しぐらい、相棒を頼っていいんじゃないですか?」
「しかし……」
「見くびらないでください。例え戦力にならなくても牽制ぐらいにはなります」

ゴゴゴ、と地鳴りがした。
そろそろか。

「……っつー訳だ。お燐、こいし。さとりを頼んだ。あと、ここの住人も」
「……分かったよおじさん。ちゃんと、生きて帰ってきてよっ!」
「もちろんだ、それに……さとりの約束もあるしな」

そして俺は、俺達は戦地へと向かった。



「あーやっと来た♪」

お空は、背中にダメージがあるはずなのに、それを感じさせない。

「お空……もう終りにしようぜ」
「うんそうだね♪ おじさん達の死で終わらせよう♪」
「違うぜお空……お前が正気に戻ることで終わるんだよ」


そして戦いは始まった。




どうもです。
第四十三話はいかがですか?
とうとうVSお空です。これからの展開に乞うご期待。
……まだまだ書きます。はい。
それではー。