二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【東方】幻想郷放浪記【オリジナル】 ( No.68 )
日時: 2010/11/07 13:26
名前: 昨日の今日 ◆7LxmAcs00. (ID: t51BWMGM)

「そっかーじゃあ死んで♪」

開始直後に火炎玉を撃ってくる。

「ちっ……!」
「おじさん、正面から突っ込んでも駄目です!」
「分かってる!でも……!」

これはきつい。
正直に言えば勝算など始めからない。
だが、それでもやらずには居られない。
お空は必ず帰ってきてもらう。
それがさとりには必要なことだからだ。

「もぉ、ちょこまかちょこまか動かないでよ。……じゃあこれでやろっかな」

お空はかなり大きい火炎玉を撃ってきた。俺の体より3、4倍ぐらいありそうなものをだ。

「マジかよ! くそっ!」
「おじさん! これで、どうよ!」

タイムはナイフを投げつける。しかしそれは無意味なことだった。
ナイフを溶かしてしまうからだ。

「あはははははは!!! 無駄だよ!! 私の攻撃は絶対なの。それが消されるはずがない!!!」
「おいおいありかよチートだろそんなもん!」

駄目だ、間に合わない——
そう思ったとき、目の前に何かが現れた。

「——どきな! 少し破片が飛ぶから気をつけなよ!」

それは金髪のロングヘアで、自分で伸ばしているというよりめんどうだから伸ばしている感じだった。
そして上は体操服。下はロングスカートという奇抜な格好で、頭にはいつか出会った鬼のような角をつけていた。
それは、自分の7、8倍はあるような岩を持っており、それを火炎弾に投げつけた。
ドゴッという音がしたのち、パラパラと破片が落ちてきた。

「……なに勇儀。アンタまで邪魔するの?」
「はっ、私はここを守るだけどよ。アンタの事情なんざどうでもいい」
「あ、そう。じゃああなたも私の対象だね。死んで」

今度はかなり大きな火炎玉を放つ。勇儀を言われた女性は、

「この星熊勇儀様に死ね、だって? ハハッ、笑わせてくれるね!」

対する勇儀は拳一本。

「おい、そこのアンタ! 大丈夫なのか!?」
「あん? 人間か。危ないからそこからちと離れな。大丈夫。私は鬼だぜ?」

そして勇儀は火炎玉に拳をぶつける。


火炎玉は、そこで爆散した。


「は……?」

声を上げたのはお空ではなく、俺だった。
目の前で不思議現象が起これば誰だって声を上げる。

「おい! そこの人間! お空を戻す算段はあるのか!?」
「あ、ああ……お空の右手にある制御棒だ! それを壊せば回避出来る!」
「了解! さて、やらせてもらうよ!」

勇儀は、やはり拳一本でお空に向かう。
タイムは、ポツリとこう言った。

「……あれが、ヒーローって奴なんですかね」
「……さあなぁ」


ガキン! と、音が響いた。
それは勇儀がお空の制御棒を壊した音

——だと思った。

「ぐぅ……!?」

声を上げたのは他でもない勇儀だった。
俺は目を見開いた。あの、火炎玉を消すほどの力を持っているはずなのに——


——なのに、勇儀の右腕は曲がってはいけない方向に曲がっていた。




どうもです。
続きまして第四十四話。地底の住人の星熊勇儀がでてきました。
その勇儀ですら壊せない制御棒。
おじさん達に勝ち目はあるのでしょうか?
ではではー。