二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【東方】幻想郷放浪記【オリジナル】 ( No.71 )
- 日時: 2010/11/15 00:19
- 名前: 昨日の今日 ◆7LxmAcs00. (ID: t51BWMGM)
は?
「お空、お前、なんにも覚えてないのか!?」
「お、おじさん? あれ? 勇儀も、どうしたの? 覚えてるって?」
お空の頭の中では疑問符が沢山あることだろう。そんな感じの顔をしていた。
俺たちは事の顛末をお空に話した。
「ま、まって。意味が分からない。え、新手のドッキリ?」
「意味が分からないのはこっちのほうだ! お前本当に何も覚えてないのか!?」
「知らないよ! 私、こいし様とあってから全然記憶が——」
そこまで言いかけたお空は、目を見開いて、顔を青くさせた。心なしか震えているような気がする。
「……やられた」
勇儀も、手を顔に当て、上を仰いでいる。
「待て、一体どういうことだ?」
「こいしの能力さ。あいつの能力は、ちょっと厄介でなぁ……」
能力?
そういえばここの奴らは殆どの奴らが能力を持っているんだっけか?
こいしの能力。そういえば俺も知らない。
「どんな、能力なんだ?」
「相手の無意識を操る能力さ」
無意識を操る? それが今回の事件とどう繋がるんだ?
「こいしは多分、お空のさとりが好きだという無意識の感情を操ったんだろう。……歪んだ方向で」
背筋が嫌な汗で濡れる。
つまり、この異変は——
——すべて、古明地こいしの仕業だってのか?
「うそ、だろ……? あんな姉ちゃん想いな奴が、どうして……」
「動機は確実にさとりへの愛情だろうね」
そんな、馬鹿な……
アイツは、心のそこからさとりのことを心配してたはずなのに……
何で、敵なんだよ?
「待ってください! 今、こいしちゃんはさとりちゃんと一緒にいるんですよ!?」
そうだ。
こいしは今さとりとお燐と共に避難しているはずだ。
「おそらく遠くへ逃げる為にもお空を操ったんだろうね。そして頃合いだからお空を開放した」
「多分、こいし様はおじさんが絶対に私に刃向かうことを予想してたはず……じゃないと、ここまで都合よくいくはずがないよ」
俺がもし、行くと言わなかったら?
もし、さとりの側にずっとついていたら?
もし——
「っそぉぉぉぉおおおおおお!!!」
地面を思いっきり殴る。手が痛む。
「いや、アンタは悪くない。むしろよくやったさ」
「よくやったって何をだよ? 俺が一体何をしたってんだよ?」
「お空は正気に戻れたんだ。いいだろう?」
「それでも、結果としてさとりを取られたままだろうが!」
「さとりはこれから取り返せばいい。こいしも迂闊には手を出さないだろうからね」
「でも……っ!」
勇儀は俺の胸倉を掴んで、顔を引き寄せた。
「いい加減にしなよ。いつまでもグジグジ言ってねぇで気持ち切り替えな」
「ッ……」
「はぁ……お空、そしてそっちのアンタ。行くよ」
「え、でもおじさんは……」
「弱虫になんざ任せれることはない。さとりを本気で取り返したいならついてこい」
勇儀は、俺を一瞥して、
「お前も、いつまでもそうやってるなら来なくていい。そこで一生そうやってろ」
勇儀、お空、そしてタイムは走って去った。
俺はそこを動くことが出来なかった。
どうもです
第四十七話はいかがでしたか?
今回の異変の正体は、古明地こいしの仕業でした。
その事実を知ったとき、おじさんはどうすることもできずただ呆然とするだけでした。
さてさて今後の行方は、というところで終わらせていただきます。
ではではー。