二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 好きだなんて言ってないからっ!【銀魂】 ( No.115 )
- 日時: 2010/03/19 23:16
- 名前: 夕詠 ◆NowzvQPzTI (ID: MCeIcGNV)
- 参照: http://id45.fm-p.jp/data/347/yuu0626/pri/44.jpg
【第十八訓:きっと君だって信じてる。】
「い、いや、何もいってないぞ」
そう。ならいいけどさっ。
「いい加減うるさい」
彩加が男3人のマジ喧嘩を横目に見ながら呟いた。
・・・確かに。
「ちょっと、そこ!うるさいっつーのっ!!黙れーっ!!」
あたしは声を張り上げていった。
3人は動きを止めて振り向いた。
「お前が俺のモンになるなら黙ってやるぜ?」
「オイ、高杉!桃がテメーのモンなんかになるわけねーだろィ!桃は俺のモンでさァ!」
「いや、総悟それは違うぜ?桃は俺のモンだ」
三人は思い思いに口を開いて言い争っている。
あんたら敵同士だろうが。もっと違うことで言い争いしろよ。
っていうか、あたし物じゃないし!
「・・・そういう意味じゃないわよ」
アリスが呆れたような口調で呟いた。
「じゃあ、どういう意味だよ」
あたしはそれを返した。
アリスは溜め息をついた後、あたしのほうに向き直った。
「だーかーらーっ!あいつら全員、桃の事が———」
アリスがそこまで言い終わると、なんかあの後ももめてたらしい3人が雪崩れ込んであたしたちの上に倒れた。
「いった・・・っ!!何すんだよっ!!」
あたしがさっき打ち付けた腰を擦ると、アリスが笑った。
総悟も土方さんも晋助もうっすらと笑みを浮かべている。
あたしもつられたように笑っていた。
「高杉。しょっぴくのは保留にしてやるよ。居なくなって初めて大切さが分かるとか言うだろ?桃がお前の方に行っちまったら困るからな」
「もし、桃に手ェ出したりなんかしたら斬りやすぜィ?覚悟しときなせィ」
そう言って二人と黒蝶隊は微笑んで部屋を後にした。
残されたあたしたちはお互いを見た。
「晋助、傷できてる。あとで絆創膏でも貼っときなよねっ」
あたしはそう言って隊服のポケットから絆創膏を出した。
それを晋助に手渡す。
「桃が貼ってくれよ。優しくねーなァ」
晋助は掠り傷の出来た足を出す。
・・・な、生足っっ!!
「どうした、桃?」
言えないだろ、コレは。
晋助の生足に、はうっ!!、ってなってたなんて言えないからっ!!
「いや、何にも!・・・あ、さっきの別に貼ってあげないって言ったわけじゃないからねっ!」
あたしの言葉に晋助が返す。
その口元に笑みが浮かんでいたのは、あたしの気のせいだろうか。
「じゃあ、何だよ」
「・・・は、貼ってあげるって言ってんの!!ハイ、どーぞっ!!」
あたしは晋助の膝に絆創膏を貼ると、部屋を走って出て行った。
「———相変わらず、不器用だなァ」
高杉は所々、絆創膏同士がくっついている膝を見つめて小さく笑った。
その声は闇夜に消えて、
消えた声と共にやってくる、
流星のような再会は、
過去の記憶を呼び覚まして、
彼女の瞳に涙が浮かぶ、
その時に、
その涙を拭う手を、
遠くから、
差し伸べてくれるのは、
敵か、
味方か、
それとも、
別の誰かなのかは、
その手を掴むまでわからないけど、
———きっと君だって信じてる。