二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 好きだなんて言ってないからっ!【銀魂】 ( No.187 )
- 日時: 2010/03/25 21:44
- 名前: 夕詠 ◆NowzvQPzTI (ID: aq6f.nuq)
- 参照: http://id45.fm-p.jp/347/yuu0626/
【第二十七訓:第二十三訓で言ったじゃんか 嫌なものは嫌なんだって!】
「———俺じゃ、ダメか?」
朝から降っている雨が屯所の壁をたたく。
そういや、雨は人の涙の代わりに悲しみを流してくれている、っていう話があったっけ———・・・ふと、そんなことを思い出すあたしはどうかしているのだろうか。
雨は嫌いじゃないけど、
——————雨音が、煩い。
銀時の眼からまたもや視線が外せない。
何なんだよ・・・みんな最近、こんなのばっかり。
昔は違ったじゃない。
バカなことやって、笑って、大騒ぎして。
ただただ、楽しく過ごして。
ずっとこんなのが続けば良いな、と思ってた。
———でも、ダメなんだね。
あたしが女だからなのかな・・・?
まぁ、女だからこんな事になっているわけで、絶対違うとは言えないのだけれども。
いっその事、男だったらよかったのに。
でも、あたしが女だから逆に良かった事も過去にはあって。
総悟よりは怒られないし、みんな何だかんだ言って優しいし、大切にしてもらえてる・・・と思う。
・・・でも、悪いけどあたしはみんなの事、そういう風には見れないんだってば・・・。
だから、
「———・・・ダメも何も、」
———言うよ、アンタに。
「前から言ってるけど・・・決められないって言うか・・・」
特別な———アンタに。
「無理だって言ってんだろーがァァァァ!!!」
あたしは思いっきり足を前に蹴り出した。
そして、その足は銀時の鳩尾にクリーンヒットした。
「・・・え、えェェェェェェェ!!!?」
銀時は青い顔で言った。
あ、流石にやばかったかな?アハハハっ!!
「お、鬼だ・・・。っつーか、この展開あり?さっきのモノローグは何の意味があったんだよ」
え?あー・・・あの特別な、っていうやつ?
あれは特別無理の特別って言う意味。
ホラ、あたしって辛党じゃない?
「あー・・・前に尋常じゃないぐらいの赤いラーメン食ってたっけ。流石の辰馬の顔も引きつってたぞ」
だから、甘党とかホント信じらんないのよ。
っつーことで、辛党の敵は甘党。あたしの敵は銀時なのっ!
「・・・意味わかんないんだけど。七味のどこがいいんだか」
「めっちゃうまいじゃん。ウチの隊員に一瓶丸ごとポケットに入れてるのがいるんだから。さすがあたしの黒蝶隊だよっ」
もちろん、超辛党なのが知れ渡っているその隊員さえも、あたし以外の黒蝶隊にどん引きされたのは言うまでもないけどさ。
「それって、常時マヨネーズ携帯してる多串君と同じじゃねぇかよ」
「だね」
あたしは笑う。銀時も口元にだけ笑みを浮かべた。
その時、桃争奪戦の終わりを告げるチャイムがなった。
やっと終わったんだー・・・。
「終わったっつー事は、桃は俺のモンだよなァ」
えー・・・あたしに拒否権は無いわけ?
「あ、桃に旦那。こんなところに居たんですかィ」
声のほうを見ると総悟が拡声器を片手に立っていた。
「沖田君。これで桃は俺のモンだったよね?いやー何か悪いなァ」
銀時、悪いと思うなら辞退しろ。
すると、総悟は拡声器を口元に近づけた。
「あー・・・聞こえてますかィ?今回の桃争奪戦は、俺が勝てなかったんで無効にしまさァ。っていう事で引き続き、桃は俺のモンでさァ。以上、桃の彼氏の沖田総悟でしたー」
む、無効!?
あたしの隠れていた時間は一体・・・。
つか、彼氏ちゃうって何回言ったら分かるんだよ。
あたしはいつの間にか雨の上がっていた空を見上げた。
雲ひとつない青空とは、こういうことを言うんだろう。
だけど、あたしは雲がある空の方が好きだ。雲がない空は何か物寂しい。
———だが、今日の空には雲に代わるものがあった。
あたしの心の中の物寂しさは無くなった。
あたしたちを繋ぐ、絆———
虹。