二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 好きだなんて言ってないからっ!【銀魂】 ( No.257 )
日時: 2010/03/30 21:43
名前: 夕詠 ◆NowzvQPzTI (ID: pkkudMAq)
参照: http://id45.fm-p.jp/data/347/yuu0626/pri/48.jpg

【第三十三訓:その少年、死神につき】


あたしは走る。
とにかく、南へ、南へ、南へ———!!
その刹那、視界に映った橙色。
だが、その橙色はいつもの色ではなかった。

「ゆ、裄っっ!!」


——————紅。


あたしは裄のほうへ駆け出す。
だが裄の足は止まらない。

「裄、そんなに怪我がひどいのに走っちゃ・・・」

「———来ちゃダメです、隊長・・・っ!!」

あたしの声はかき消される。

「・・・言ったじゃないですか———」

裄の声は若干震えてるように感じた。
その時、あたしと裄以外の気配がかすかに現れたような気がした。

「———邪魔が入ってしまったようだな・・・まぁ、」

その声は冷たい氷のようで。
感情というものが一切感じられないような声だった。
刀に手をかけ、気配のほうへと振り向いた。
目に映ったのは、
“漆黒、”

「———・・・殺してしまえば、関係ないな」

あたしに降る、銀色の光を放つ刃。

「た・・・っ」

“そして、さっきと同じ———紅”

「隊長——————!!!」

その声が遠くに聞こえたのを最後に、何も聞こえなくなった。