二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 好きだなんて言ってないからっ!【銀魂】 ( No.31 )
日時: 2010/03/13 16:20
名前: 夕詠 ◆NowzvQPzTI (ID: hzhul6b3)
参照: http://id45.fm-p.jp/347/yuu0626/

【第七訓:過去の記憶を呼び覚まして、】



あの日———










———攘夷戦争中の、あの日。


当時のあたしと師匠は鬼兵隊だった。
銀さん・・・銀時やヅラ、辰馬、晋助達と一緒に戦っていた。
・・・仲間の死を乗り越えて。

そんなある時、あたしと師匠は敵の天人に囲まれた。じりじりと近づく敵の足音に、冷や汗が地面に落ちる。

「———師匠、どうしますか?」

あたしの言葉に珍しく笑みが崩れていた師匠は微笑する。

「どうするもこうするも・・・アイツら皆、殺らなアカンやろうが」

「・・・ですね」

あたしも微笑を浮かべた。
あたしたちは駆け出した。生きて帰るために・・・今、やらなくちゃ———!!
銀色の光を放つ刀を振るうたびに、紅い飛沫が空を舞う。
それを見るのも、それが自分にかかるのも好きじゃないんだけどな———・・・。

一瞬だけ、ぼーっと紅い飛沫を見つめた。

「———桃!!!」

後ろを振り向くと、直ぐ目の前に師匠の背中。
その高い位置にある銀髪の向こう側には、髪と同じ色の光。
それが振り下ろされるのがスローモーションのようにゆっくり見えた。

「———ぼーっとしてたらアカンって何回俺に言わせれば気が済むん?」

その声の後に飛ぶ紅い飛沫。

「もう、守ったれへんいうのに———・・・」

師匠は地面に崩れ落ちた。
その場所には、紅い水溜りが広がっていく。
















「・・・師匠——————!!!」






———そのあと、背中に痛みが走ってあたしは師匠の隣に倒れこみ意識を失った。