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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 好きだなんて言ってないからっ!【銀魂】 ( No.342 )
- 日時: 2010/04/09 19:32
- 名前: 夕詠 ◆NowzvQPzTI (ID: 4icP.gIH)
【第四十三訓:その隊長、紅蓮隊の影につき】
———吉原某所。
瓦礫の山の一角に、その男は腰掛けていた。
そこに現れた小さな少女。
「きょーちゃん。アビ、あの女の隊長さんに殺られちゃったみたいだよー?しかも一撃だったんだってさっ」
「そうですか。アビを一撃だなんて、やはり強いですね。———さすが僕の・・・」
巽の言葉に、蒼城は低くも無く、高くも無い声で返した。
「僕の?きょーちゃん、あの女の知り合いなの?」
その言葉に蒼城は珍しく焦りの色を見せた。
「・・・いえ、気にしないで下さい。それより、巽。次は誰に探させるんですか?」
「次は、巽と友里音と姫愛ちゃんかなっ?巽たちなら絶対いけるよっ!」
蒼城は、そうですか、と短く返した。
それを聞いた巽は外へと歩いていった。
すると人の気配がかすかに空間の隅に感じられた。
蒼城はふっと笑う。
「———あなたでしたか。居たなら出てくれば良かったのに」
「ホントにあの子たちだけで大丈夫なのかな?ちょっと不安だよね」
するは蒼城は苦笑いを浮かべた。
「だったら、あなたが行きますか?」
するとその人物は、にっこりと笑みを浮かべた。
そして、チャイナ服の裾を翻し、先ほど巽が歩いていった方向へと向かう。
「———うん、そうさせてもらうよ」
蒼城の銀色の髪が風にさらさらと揺れた。
それに月の光が当たって銀色に輝いている。
そして、先ほどの人物が出て行った後、蒼城は一人呟いた。
「・・・悪いですね、桃。あのメンバーで僕達が負ける事は無いでしょうから」
その口元に笑みが浮かんだ。
「これで僕の目的は果たせそうです」
月は妖しく輝く。
「今日は紅い月ですか。不吉———何か起こったりでもするんですかね?まァ、その方がいいかもしれません」
「——————だって、その方が面白いじゃないですか」
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