二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 好きだなんて言ってないからっ!【銀魂】600コメ記念絵UP! ( No.602 )
日時: 2010/05/21 20:43
名前: 夕詠 ◆NowzvQPzTI (ID: udZFMs3r)
参照: http://www.youtube.com/watch?v

【第六十六訓:空腹時には・・・おにぎりでいっか】



前回までのあらすじ☆
【担当:高杉晋助】

今回の担当は、結構前から出てるのにガッキーにあらすじの担当横取りされて、無性に腹が立ってる俺みてェだぜ。
かぶき町で、ナンパされてたやたらと綺麗な女が刀で相手の腕を落とした。
そこに桃たち、桃以外うぜェ真選組の奴らが通りかかった。
廃刀令にならって、刀を女から取り上げようとしたところ、刀で斬られかける。
その時、女が発した名前がこの後の物語を狂わせる———。



「誰が刀なんぞ渡すか。コレは人探しに使うんだ」

人探しに使うって言ってもさぁ・・・法律だからさぁ?国の決まりだからさぁ?
何かこう、ね?

「・・・く、空気読もうっ☆」

「桃、意味わかんねぇでさァ。っていうか、人探しなら万事屋の旦那に適当にやってもらえばいいんじゃないですかィ?」

総悟の提案に、その女は考えるような仕草を見せた後、首を横に振った。

「それはここから動かなくてはならないだろう?・・・実は私は空腹になると一歩も動けなくなるのだ」

まじでか。
どんな理由で人探しの近道から脱線してるんだよ。
じゃあ、屯所までついて来なよ。何かしら食べ物ぐらいあるでしょ。
マヨネーズまみれかもしれないけどさ。
あたしたちは歩き始めた。
だが、肝心の女がついてこない。

「来ないの?」

すると、女は呆れたように、

「だから動けないと言ってい・・・」

そこまで言うと地面に倒れた。
空腹で倒れるって・・・どんだけ腹減ってたんだよ。



———真選組屯所のあたしの部屋。
あたしの布団で彼女は寝ていた。
その時、すーすーと寝息を立てていた美人顔の瞼が開いた。

「腹が減った・・・」

起きてからの第一声がそれかよ!
何か、感謝の言葉とかは無いのか。
・・・まぁ、おにぎりならあるけど?
あたしは不恰好なおにぎりの乗った皿を、女の傍に寄せた。
女が食べ始めたのを見て、あたしは一安心した。

「そういえば、アンタ名前なんていうの?」

ホラ、いつまでもモノローグの時に女、って呼ばれててもアレじゃない?つか、めんどいし?
すると、女は食べる手を一度止めて、

「・・・『こえいしゅか』」

とだけ短く言うと、再びおにぎりを口に運び始めた。
『こえいしゅか』ってどういう漢字書くの?

「『湖』に歌を詠むの『詠』に朱色の『朱』、中華の『華』で『湖詠朱華』」

難しい漢字っつーか・・・めんどくさい名前だなぁ〜。
つくづく土萌桃でよかったな、と思うよ。
名字の読み間違いは多いけどさ。
あ、でも兄貴は結構読み間違えられてたな。

「お前、兄がいるのか?」

朱華が訊く。
うん、一応いる。長い間、顔を見てすらないけど。
今頃どっかで適当に過ごしてるんじゃないかなー。別にどうでもいいけど。
———アイツが何処でどう生きてても、あたしの知ったことじゃないし。
実はもう一人、その兄貴の上にいるんだけど、そっちも会ってないや。

「そうか・・・」

そういえば、朱華。
人探してるって言ってたよな?
名前とか特長とかが分かれば、真選組が・・・っつーより黒蝶隊が探すけど。

「特徴はお前と同じ様な茶髪に、同じ様な深い蒼の瞳。そんなに身長は高くなくて・・・顔はお前に少し似ていないこともないな」

なんか、あたしと被るのばっかなんだけど。
え、何?実は探してたのはあたしでした〜みたいなオチとか?
四体族篇ってそんなくだらないオチなの?

「・・・いや、違うと思う」

だ、だよねー!
いやいや、あたしも思ってたからね!?別に本気で『あれ?あたしなの!?そんな展開なの!?』とか思ってたりなんてしないから!全然ないから!

「な、名前は!?」

「名前は———・・・口に出すのも腹が立つわ」

朱華はその人物を相当嫌っているらしく、だったら何故探すのかと思ったが、朱華の言葉は続く。




「名字は忘れたが、『七桜』だ。漢数字の『七』に『桜』で『ななお』だぞ」



あたしの顔から笑みが消えた。