二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 好きだなんて言ってないからっ!【銀魂】600コメ記念絵UP! ( No.635 )
- 日時: 2010/05/25 22:48
- 名前: 夕詠 ◆NowzvQPzTI (ID: pR7JxfSl)
- 参照: http://id27.fm-p.jp/227/yuu0812/
【第七十三訓:影でコソコソやってる奴ほど 実はでしゃばりだったりする】
「別に、見下してなんかねぇよ」
「見下したりなんかすると、怒る奴が一人居るものでな」
すると、詠と名乗る女は驚いたような表情を見せた。
「お前達の知り合いの四体族って———アイツか」
その時、遠くから聞こえた靴の音が高杉たちの後ろで止まった。
その方向には、二つの影。
「やはり、お前が———・・・」
その人物は、口元だけ笑う。
「——————紅夜叉・・・!!」
ふーん・・・あたしって結構有名人なんだ。
白夜叉の影でコソコソとやってたつもりだったんだけどな。
「いや、相当でしゃばってた記憶があるのだが・・・」
え?何か言ったかね、桂君。
「っつーか、あの強さで有名にならない方がおかしいだろ。しかもお前の場合は特殊だしなァ」
特殊って・・・あぁ、確かに。
「・・・隊長、特殊って・・・?」
あたしの後ろに居た杏奈が訊いてきた。
そっか、銀時たちは知ってるけど、真選組のみんなは知らないんだよな。
じゃあ、説明してあげるよ。
「・・・桃、いいのか?」
———うん。別にもう、構わない。
するとヅラたちは頷いた。
「杏奈、驚かないでよ?・・・って言うのも無理があるな」
あたしは笑うと、杏奈は無言で頷いた。
「・・・あたし、」
「人間じゃないんだよね」
杏奈の驚いた顔が見える。
そりゃ、フツー驚くよ。
「あ、天人ってことですか・・・?」
まぁ、そういう事。
正確に言えば、四体族と夜兎族のハーフなんだけど。
完全な夜兎でもないし、四体族でもない。
だから、あたしの腕は義手じゃない。腕が残ってる分、そこらの四体族よりあたしの方が強いはずだ。
「じゃあ、紅蓮隊なんて潰せちゃうんじゃ・・・」
杏奈の呟きに、あたしの視線は地面に落ちた。
それは無理だと思う。
あたしに師匠は倒せないし、何より・・・
「七桜は・・・兄貴は、そう簡単に勝てる相手じゃない」
七桜はあたしの兄貴だ。もちろんアイツも義手や義足じゃない。
そして、元からあたしの倍は強い。
「七桜を倒せる奴なんて———いないと思う」
アイツは四体族の中でも、神威を見習って本能どおりに生きている奴だ。
四体族は、血が好きなのと人を斬るのが本能。それは仕方ない。
彩加を斬ったのも、本能が赴くままやった事だろう。
人を斬るのも嫌い。刀も嫌い。
あたしはそんな四体族の本能が大嫌い。
あたしはそんな七桜が、心の底から大嫌いだ。
だから攘夷戦争に参加したんだ。どうせ戦うなら、天人と戦いたい。
自分と戦いたい。
そして、変わるんだ。
とりあえずは———
あたしは詠に斬りかかった。
「仲間を守れるような・・・そんな風になりたいかな」