二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 好きだなんて言ってないからっ!【銀魂】桃最大の秘密が遂に!? ( No.653 )
日時: 2010/05/30 18:36
名前: 夕詠 ◆NowzvQPzTI (ID: zc76bp3U)
参照: http://id27.fm-p.jp/227/yuu0812/

【第七十五訓:やっぱりB型って自由人なのかな?】



「さて、そろそろ本気出していくかー。俺がコイツら潰してやる・・・よっ!!」

伊藤は回し蹴りを繰り出した。
その長い足は闇に当たったと思えば、閻にも当たり、二人の体は宙に舞う。
伊藤の動きは速くて、目が追いつかない。
———コイツ、強い・・・。
あたしはその場に立ち竦んでしまっていた。

「オイっ!」

あたしはその声に、ハッとなる。

「何ボサっとしてんだよ!お前にだってできる事ぐらいあんだろうがァァァ!!」

そう言って伊藤は戦闘に戻ろうとしたのだが、その背後には閻が。

「あ、また隙ありー」

閻は不敵に笑って刀を振り下ろした。
・・・伊藤———!!

「・・・っ!!」

金属と金属がぶつかる音。

「伊藤、お前強いんじゃなかったのか?」

そう笑うのは、あたしは写真でしか見たことなかったが知っている顔だ。
桃が言うには攘夷戦争後に撮ったものらしいけど、全然変わってないらしい。

「板垣・・・進助?」

「桃から聞いたのか?」

うん、まぁ一応・・・。
あ、奏もいるのね。今まで気づかなかったわ。

「・・・意外と酷いな」

じゃあ、取り敢えず総悟たちをどうにかしないと。

「あ、シカト?」

奏の言葉は聞こえたけど聞こえてないことにした方が都合がいいわね。

「おーい、聞こえてるぞー」

もう、うっさいな!いいじゃない、別に。
そんな会話を伊藤が破る。
空気読めやコラ。

「どうにかするならコンテナの影にでも隠れてろ!ここだとお前らまで巻き込んじまう気がするからなァ」

そう言って伊藤は悪戯っぽく笑った。
あのー隣の可愛い平和主義者さんに睨まれてるわよー。
伊藤はともかく、ガッキーの可愛さがハンパなかったのは言うまでもないわよね。




———第一倉庫。

「ホラ、やめときなよ神夜。桃と戦ったら負ける事ぐらい分かるだろ?」

神威が神夜を止める。

「それに、もう戦いだって終わるんじゃないかな?」

・・・それ、どういう事?
戦いが終わるって、あたしまだ誰とも戦ってないけど。

「桃には最大の敵の兄貴が居るだろ?」

確かにそうかも。
でも、師匠とかも来てるんじゃ・・・。
師匠が来てるなら、この長編も終わりが遠くなると思うんだけど。

「師匠?・・・あ、狂夜のことか。狂夜ならとっくにどっか行ったけど?」

・・・は!?
何で物語のラスボス的存在が離脱してんだよ!!

「いや、そう思って俺も止めたんだけどさ。『分かっとらんな、神威。俺が残っとったら真選組に捕まるやろうが』って言われちゃって」

神威の飄々とした言葉に少しホッとしてる自分にイライラする。
そんな時、あたしの後ろのほうで爆発音がした。
反射的にその方向に振り返る。

「・・・あーあ、随分と派手にやっちゃったわねぇー」

「そうだぞ。どうすんだよコレ。責任取んのか?つか取れやコラ」

「しょうがねぇだろうが。一番コレが手っ取り早ェんだよ」

「ったく、少しは平和的な考え方をしろ!」

その爆風の向こうに見えたのは見覚えのありまくりな奴らで。
アリスと奏とガッキーと・・・誰だっけ?

「伊藤博哉だわ!どんだけ忘れっぽいんだ、テメーは!!」

なんだよ。歴史では初代総理大臣のクセに。何でこんなにガラ悪ィんだよ。
フツー総理大臣が葉巻吸いまくるか?ポケットに手ェ突っ込んで歩くか?金髪にするか?服装だらしないか?お前はチンピラか!
もう、そんぐらいちゃんとしなよ!アンタもう大人でしょうが!

「オカンかお前は!!」

うっせーな、ったく!!
少しはガッキーの可愛さも見習いなよ。
ヅラが目に入った瞬間『ヅラーっ!!』って言って駆け寄っていったからね。
何であの子は、あんなにも可愛いんでしょうか。

「・・・オイ、桃!」

晋助がいきなり声を張り上げた。
心臓に悪いだろうが。

「敵、逃げようとしてらァ」

え!?まじでか!
晋助の指差す方向を見ると、神威と神夜がコンテナの上に立っていた。

「貴様ら!逃げるなど許されないぞ!!」

「逃げたら、ヅラが貴様らなんか倒してくれるわ!!」

ヅラの言葉にガッキーが続く。
すると神威は笑って・・・って、もう笑ってんじゃん。

「狂夜も居ない事だし、何か人増えちゃったし面倒だから帰るね」

・・・何処まで自由人なんだよ!
それから、止める間もなく神威たちは姿を消した。

「何だったんですかね」

杏奈が呟くのも無理はないな、と思った。