二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 好きだなんて言ってないからっ!【銀魂】桃最大の秘密が遂に!? ( No.657 )
- 日時: 2010/05/31 16:30
- 名前: 夕詠 ◆NowzvQPzTI (ID: Dscjh0AU)
- 参照: http://id27.fm-p.jp/227/yuu0812/
【第七十七訓:あ、ラッキーセブン☆】
ホント、嫌い。大っ嫌い。
「———あたしがその腐った根性叩きなおしてやるよ」
あたしの言葉に七桜は笑う。
「やれるモンならやってみなよ」
そして、挑発的な表情になって、
「———桃に俺は倒せないから」
そう言って、七桜は拳銃を仕舞い刀を鞘から抜いた。
その銀色の光は、四体族の本能を掻き立てる。
本能が
———騒ぐ。
「「うおぉぉぉぉ!!!」」
あたしと七桜は一斉に地を駆ける。
刀と刀がぶつかり合う音がその場に響いた。
そしてまた離れて、ぶつかり合う。
ただ、それの繰り返しで。
「桃、いい加減諦めたら?死んじゃいなよ」
七桜は蔑む様に笑う。
今まで本能のまま動かないように、と心に枷をはめているつもりだった。
でも、相手が七桜なら必要ない。
その時、何かから開放されたような感じがした。
「———死ぬのはお前や!七桜!!」
あたしは刀を素早く離し、七桜の腹部めがけて横に振る。
七桜はそれを避けるように、後ろへ飛んだ。
その腹は鮮血が紅く染め上げていた。
「・・・桃、四体族の本能に従って戦うのは嫌って言ってなかった?どうしてくれんの?俺、腹斬れちゃったんだけど。切腹ですかーみたい・・・なっ!!」
飄々と挑発するように話しながら、あたしに刃を振るう。
あたしの頬を血が伝っていた。
それからあたし達は刀をお互いに振るい続ける。
すると、あたしの左腕の部分の隊服が切り裂かれた。
同時に七桜の右腕の部分も地面に落ちた。
「・・・!何、アレ・・・!」
杏奈が声を上げる。
指差す方向はあたしたちの右腕と左腕だろう。
「刺青・・・?」
ガッキーも考えている。
「テメーら知らねぇようじゃ、桃検定失格だぞ?」
銀時、そんな検定は無い。
「あれがアイツらが四体族だって言う証なんだよ」
「それ、どういう意味?今すぐ説明しなさいよ」
銀時の言葉を急かすようにアリスが続く。
銀時は一度あたしのほうを見てから、もう一度もとの方向へ向き直った。
「四体族にはある風習がある。四体族の住む地に生まれた赤ん坊は体の一部に刺青のようなものを入れることになっている。桃と七桜は名前にちなんで『桃』の花と『桜』の花のものがそれぞれ左腕、右腕に入っているんだ。そして、どんな四体族でも———」
———体から刺青が入っている部位が離れた瞬間、死に至る。
「じゃあ、右腕を斬りつければいいって事よね?簡単な話じゃない」
アリスがあっけらかんとした口調で言った。
そんな簡単に右腕を落とせたら苦労はしてない。
できないから、今こうして———、
あたしの左腕すれすれで刀が風を斬った。
「あ、おっしーいっ!もうちょっとで左腕ゲーッツだったのにさ」
七桜の言葉を最後まで聞かないまま、あたしは右腕めがけて刀を突き出した。
七桜はそれを軽々避けた。
「・・・外してもうたわ。せっかく大嫌いなお兄ちゃんに地獄の旅行に行ってもらおう思っとったのに」
あたしは口元を歪めて笑う。
すると七桜も同じ様に笑う。
・・・やっぱり、同じ表情すると似とる言われるんも否めへんなぁ。
「そりゃあ、ありがたいなぁ。桃も一緒に地獄旅行、連れてってあげるよ」
七桜は刀を握る。
「それは悪いなぁ。でも、」
あたしも刀を握る。
「地獄旅行に行くんはアンタだけで十分やさかい、死んでくれへん?」
あたしたちの刀は、同時にお互いの腕へと加速していく。
———地は、ただ紅くて。