二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 好きだなんて言ってないからっ!【銀魂】四体族篇完結! ( No.665 )
日時: 2010/05/31 22:32
名前: 夕詠 ◆NowzvQPzTI (ID: g5yX4cMd)
参照: http://id27.fm-p.jp/227/yuu0812/

【第七十九訓:とりあえずツッコんどけ】



———×月●日

あれから数日経ったのに桃の元気がない。

いくら敵だったとはいえ、兄貴を失った心の傷が深い事ぐらい、あたしにもわかる。
それに彩加に何も大事がなかったのがせめてもの救いだけど、大怪我を負ったのは当たり前だ。
しかも、桃はそれを自分だけで抱え込んじゃうタチだから面倒なのよねー・・・。

だから、あたし九条アリスは考えたのよ!




「『桃、いつまでもクヨクヨしてないで 元気ハツラツ!オロマミンD!になっちゃいなさいよ☆パーティー!!』始まりィィィ!!」

・・・は?
何かアリスの一言で始まった、このパーティーにはアリス、銀時、晋助、ヅラがいた。
アンタら何してんの?あたし今、そんな気分じゃないんだけど。
じゃ。

「ちょっと待てェェェェ!!」

ちょ、アリス痛いんだけど。
何か掴まれてる腕が軋むような音しそうなんだけど。

「そこにいるだけでいいから!そこでツッコんでくれればいいから!」

そこに居るだけじゃダメってことじゃん。
ツッコまなきゃダメってことじゃん。

「そう、それだぞ!テンションがいまひとつだが・・・それでこそ、桃だ!」

何なの、ヅラ。何かウザイ。

「ヅラはヘコんでるが、取り敢えず始めるぜ。今日は俺と高杉でケーキを作って来たんだ」

へぇー・・・。
———オイ、銀時。あたしが甘いもの嫌いなの知ってるよな?

「・・・あ。オイ、高杉!どうにかしろよ!」

銀時が晋助に耳打ちしている。
あのー全部聞こえてまーす。

「銀時、これも桃検定に出るって言ったろうが」

だからそんな検定ねぇよ!

「俺はちゃんと、ケーキ土萌スペシャル☆作ってきたぜ?」

まじでかっ!!
晋助は得意そうに笑うと、冷蔵庫の方へ歩いていった。
そして戻ってくる。
その手には真っ赤な帽子に白い・・・

「ってこれ、ケーキじゃねェェェェ!!!」

何でケーキとサンタ間違えてんだよ!
ってか何でサンタ!?つかサンタっているの!?

「いるぞ。ネバーランドでネバネバの納豆をむさぼっているらしい」

お前は何か色々違ェェェェ!!
何でサンタがネバーランドにいんだよ!何でサンタが納豆食べてんだよ!

「まじでか!俺、サンタはネバーギブアップランドでネバーギブアップな納豆食ってるかと思ってたわー」

銀時、お前は根本的に違う!
せめてネバーランドにしろォォ!

「あたしはトナカイはトナカイ養成所で教育されてからサンタを引っ張るのかと思ってたのに、そうじゃないらしいのよね」

・・・そりゃそうだろ!!
つか、アリス!お前は空気読めェェ!!
何でサンタ⇒サンタ⇒サンタ⇒トナカイなんだよ!!
つか、今夏に近い春だぞ!?何でサンタの話題で盛り上がってるんだよ!

あたしが一通り言い終わると、その場の全員が笑った。

「・・・な、何?」

すると銀時たちは顔を見合わせて、また笑う。

「いや、いつもの桃に戻ったなァと思ってよォ」

「俺達も頑張った甲斐があったな」

そう言って、銀時とヅラと晋助はあたしの頭にポンっと手を置く。
それが何だかくすぐったくって、自然と笑みが零れた。
・・・別に、嬉しかったんじゃなくって、くすぐったかったからだから!
いい?くすぐったかったからだからね!?