二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 好きだなんて言ってないからっ!【銀魂】アンケート実施中! ( No.769 )
日時: 2010/08/02 22:10
名前: 夕詠 ◆NowzvQPzTI (ID: P.nd5.WZ)
参照: http://koebu.com/live/ch64918



———どうしてこうなったんだろ・・・。

『も、もしもし・・・桃・・・?』

———何で、

『あの、あのな・・・今、俺・・・っ!・・・オ、オイ、貴様!!返せっ!!』

———何で、

『進助、悪いな。借りさせてもらうぞ』



アイツが———。

『久しぶりじゃのう。元攘夷浪士の真選組黒蝶隊隊長、土萌桃さん』



【第八十九訓:雨】



あたしは走っていた。
電話口で伝えられた見知らぬ道をただ、ひたすら。

「———・・・あ」

いつの間にやら降っていた雨にすら気がつかないくらいに。
そして、何でだろう。


———さっきから気分が悪い。


顔に濡れた髪が張り付くのに、灰色に淀んだ空にすらイライラする。

雨でぬかるんだ道を走るのを止めて、歩いていると廃病院らしき建物が視界に写った。

・・・ちょっと、待って。







「———・・・ど、どこや、ここォォォォォ!!!」

アカン、迷子なってもうた!!
しゃあないやん!あたし方向音痴やねんもん!
昔、ガッキーと旅行行ったら遭難しかけてんねんぞ!!

そんなプチパニックに陥っていると背後に人の気配がした。

「外がうるさいなーと思ったら、アンタだったんですかー」

あたしが後ろを振り向こうと首を動かすと、金属音が鳴った。
———刀?

「動いたら食いかけの団子みたいにしちゃいますよー」

あの、例えが分かりにくいです。
っつーか、アンタ誰?
ここどこ?あたし方向音痴だから迷子になっちゃったんだって!!
やばくね!?どうしたらいいと思う!?

「知らないですけどー・・・この状況でそれだけ喋れる神経の図太さに感動ですー」

っつーか、アンタ誰?

「あ、お互い無視なのかー」

質問に答えろよ。

「分かりましたよー。俺の名前でしょう?」

さっきからそう言ってるじゃないか。

「俺の名前は、」







「蒼城颯夜、ですー」






・・・ん?


「そ、蒼城ォォォォォォ!?」