二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 「鎌を持てない死神の話」 ボーカロイド小説 ( No.25 )
日時: 2010/03/13 17:51
名前: 紅 ◆F0G3xzx3D6 (ID: tVCgD/M1)

〜第9章〜

少年はふらりと、街を歩いていた。

とにかく、この気持ちをどこかに捨てたい——

少年はそれだけを考えて、街を歩きまわった。

「あ、あれ・・・」

ふと、何かが少年の目にとまる。

それは、少女に買った首飾りと色違いの、金の首飾り。

「色違い・・・あったんだ」

誰に言うのでもなく、少年は呟いた。

そして首飾りを見つめる。

(人間の・・・思いが、これで分かっただろ)

唐突に、鎌が言った。

「うん、そうだね」

拒絶されることは、もう慣れているはずだったのに。

こんなにも、悲しい————

「死神に、人並の気持ちはないはずなのに・・・」

少年は、自分のココロに怯えていたのだ。

今まで感じたことのない—大きなココロに

〜第9章 完〜