二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 「鎌を持てない死神の話」 ボーカロイド小説 ( No.9 )
日時: 2010/03/11 16:20
名前: みぁ (ID: C2X31cwX)

〜第4章〜


「今日はありがとう。」

少女は静かに微笑んだ。

「そんな、お礼なんていらないよ
 それより名前をいってなかったね・・・」

そういって、少年は戸惑った。

自分には名前なんてないからだ。

(おいおい、どうするんだよ・・・)

鎌は不安げにそういう。

「あなたは何者なの??」

そのとき、少女が口を開いた。

「普通の人とは思えないっ、だって私を連れ出す時、あんな高いところから飛び降りるんだもんっ」

少年は戸惑った。 正体を明かすべきか迷った。

「ぼっ、僕は・・・」

少年の言葉が止まる。

「いいわ、無理しなくても、私だってちゃんとそういう事は分かってる・・・。
 聞いてはいけないことだってあるわよね・・・
 今日は寝るから・・・おやすみ・・・  
 お父様には話をてきとうに通しておいたから、隣の客間を使ってね・・・」

ドアが閉まり、少年は廊下に一人残された。


少年の胸には少女を「生かせてあげたい」という思いがあった。

でも、死神としてそれは許されない・・・

そして、それと同時に胸の中に渦巻く不思議な感情も芽生えていた・・・


〜第4章終了〜