二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 怪談レストラン 裏物語 オリジナル怪談募集 ( No.12 )
- 日時: 2010/03/11 16:20
- 名前: 【涼太】 (ID: wetqViQy)
麻薬王
魔法でヨーロッパ地方(ブレイス家はどこにあるか正彦とゲッシュはわからないまま出発した)からアジア地方のシンガポールまで行く光景は奇妙としか言いようが無いと正彦は思った。
一番簡単に説明すると、車は全く動かない。景色だけが変わっていくようだ。自分達は時間が経つのを感じない。いや、自分たちの時間が止まっている。しかし、周りは時間の経過を早送りにして景色見ていると言えばわかりやすいと思う。
早送りの景色はこれもまた奇妙だ。人が素早く歩いていると思ったら、今度は車やバイクが走っている。そして、森や渓谷、川や海の景色が瞬間に見えた。
そして15分ほど経ったと思った頃、いつの間にか奇妙な光景は止まった。どうやらシンガポールに着いたようだ。
ラックは早送りの景色が止まったとわかると、車を走らせた。
車が止まったところはシンガポールのビルがそびえ立つ都会だった。正彦はてっきり目的地は田舎のようなところかと思っていたため、最初は戸惑った。だが、今度はこんなところでゆっくり休日を過ごしたいと思い始めた。
シンガポールはビルの如くそびえ立つホテルが多く、タクシーも走っている。建物は大使館、ショッピングセンター、コーヒーハウス等が見えた。
そして、食べ物の匂いを感じたら車内に腹が鳴る音が響き渡った。バクスの顔が少し赤くなる。
ラックはフッと笑うと、バクスにS$(シンガポールドル)を渡した。
ラック「何か食い物買ってこい。お前は魔術を使ったから腹が余計に減っているだろ?」
そうラックが言うと、バクスの顔に満面の笑みになった。そして意気揚々と車から出て行った。
ゲッシュ「あ、ラック。俺も行くよ。シンガポールなんて中々行かないし」
そう言ってゲッシュも車から降りた。
ラックと正彦は車を再び走らせた。
ラックはあるホテルに車を止めた。そして、ラックが車から降りると、正彦も少し遅れて車から降りた。そして2人はホテルに入った。
ラックはホテルに入り、ホテル員と会話をしている。オーガン・ザラスと言う『デット・クロス』の在り処を知っている人物は正彦にとってあまりいい印象は持ってない。
何故ならオーガン・ザラスとはFBIのデーターにも出ているアジアの麻薬王だからだ。
シンガポールは麻薬を持ち込む者に対しては極刑を出すほど麻薬には厳しい。その目をかいくぐり、麻薬王がここに滞在していることに正彦はまだ信じられなかった。そして、その麻薬王が悪魔を退治するハンターだと言うことが正彦にはさらに信じられなかった。
ラックとホテル員の会話は終わり、ラックはホテル員に道案内をされていた。正彦もそれについていく。
ホテル員がつれてきたのはホテルの1階の奥にある000号室と書かれた見た瞬間に怪しい部屋に連れて来られた。
ホテル員は案内を終えると仕事に戻ってしまった。そして、ラックは000号室に入った。
中は普通のホテル部屋だった。テレビにベッド、風呂にトイレ、机に本が数冊並べてある本棚だけで他に変わったことは見当たらなかった。
するとラックが何処から持ってきたのか、本を一冊本棚に置いた。その瞬間、本棚が動き、地下へと繋がる階段が現れた。
ラックと正彦が階段を降りていくと、広場のように大きな部屋に出た。部屋には数十名の男と、麻薬が入っていると思われる袋が壁の如く大量に積み上げられていた。
そして、部屋の奥に髪は生えてなくて、顔に爪で引っかかれた傷跡がある40代の男が立っていた。
ラックは周りの男達を無視し、その男に近づき、話し出した。
ラック「初めまして。オーガン・ザラス」
〜シンガポール・都内〜
バクスとゲッシュはシンガポールの観光を満喫していた。バクスの左手にはマンゴスティン、スターフルーツ、パパイヤ、マンゴーなどの新鮮な果物が数十個入っている袋を持ち、右手にはかじった跡があるマンゴーを持っていた。そして、マンゴーを笑顔でかじって歩いている。
ゲッシュも果物を買っていたが、バクスほど多く買っていなかった。しかし、ゲッシュもまた果物をかじりながら歩いていた。
そして、2人が右手に持っていた果物を食べ終えると、話し出した。
バクス「うん。シンガポールでこんなに果物が食べられるとは思わなかった」
ゲッシュ「同感。・・・ん?新聞だ」
ゲッシュが見つけた新聞の一面をバクスが見た。
その瞬間、バクスの顔に血の気が引いた。ゲッシュもまた血の気が引いた。
新聞の記事にはこう書かれていた。
『北アメリカ地方、謎の大虐殺』、『世界各国で起こる大虐殺』、『世界規模のクーデターか!?』
続く
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