二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン〜無茶苦茶な妄想小説〜 ( No.169 )
- 日時: 2010/05/18 18:42
- 名前: 海風 奈義沙 ◆vC28/D3I26 (ID: Ru7e1uoX)
「なんでお前がここに……?」
豪炎寺はあり得ないというように、聞いた。
「……。」
奈義沙は答えない。ただ、豪炎寺とは目を合わしたくないらしく、ずっとそっぽを向いていた。
そのまま、時間だけが過ぎて行った。
「サクラなんだろ?」
豪炎寺は奈義沙に問いかける。だが、奈義沙は豪炎寺の方を見ようともしない。
「間違いない。お前、サクラだろ?」
豪炎寺はまた聞いた。だが、奈義沙は……
「何度言えばわかるんだ? 私は、サクラではない。サクラは死んだだろう?」
豪炎寺ははっとした。奈義沙はそんなのお構いなく続けた。
「いくら私がサクラに似ていようとも、事実は変わらない。サクラは死んだ。4年前に。違うか?」
「……。」
豪炎寺は何も言い返せなかった。
ただ言えるのは、奈義沙の言っていることは事実である、ということだけなのだ。
「野次馬が来たようだな……。」
そう言って奈義沙は屋上のドアを思いっきり開けた。すると、
「ギャー!」
と声がした。そっちを向いてみるとそこには、サッカー部のやつらが円堂を下敷きにしていた。
奈義沙はそんなことは気にせずに、すたすたと下に降りて行った。
豪炎寺は驚いて、声が出なかった。
「よ、よお……豪炎寺……。」
円堂は気まずそうに、言った。
「……。」
豪炎寺は呆れたように腕を組んだ。
「で、聞いていたのか?」
「ん? 何を?」
円堂の間抜けな返事にもっと呆れた。
「だから、俺とあいつの話を聞いていたかということだ。」
すると、円堂は汗をタラタラと流しながら、
「えっと……その……聞いてたと言うより……あの……たまたま聞こえちゃった……というより……」
と必死で言い訳をした。
「つまり、聞いていたんだろ?」
そう言うと、円堂は
「はい……そうです。」
と言った。豪炎寺は苦笑した。
「なあ、豪炎寺。」
「なんだ?」
「お前と海風が言っていた、サクラって誰なんだ?」
「……。」
豪炎寺は静かに空を見上げた。そして、決心がついたかのように円堂をまっすぐとみた。
「分かった。話す。サクラのことを。」
そう言って豪炎寺は目を閉じた。
「サクラは、俺の幼馴染なんだ。」
豪炎寺は、静かに言った。
「幼馴染?」
「あぁ。」
豪炎寺は遠くの方を見ながら続けた。
「あいつと俺があったのは……小学校の入学式の時だったんだ……。」