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「か、勝手に入っても、大丈夫なんですか？」
「えぇ。大丈夫よ。彼女からは、私の知り合いなら入れてもいいってことになっているから。」
　円堂たちは海風の住んでいる部屋のリビングを見て驚愕した。
「ひ、広い……。」
「こっちよ。」
　そう言われ、黒い髪の女性に誘導されて円堂たちは奥の部屋へと進んで行った。
　黒い髪の女性は、ドアを開けた。
「気をつけてね。」
　そういいながら部屋の中に入って行った。
　円堂も続けて入ったのだが……。
「な、なんだこれ？」
　そこにはものすごく散らかった海風の寝室があった。
「な、なんでこんなに散らかってるんだ……？」
「彼女ね、片付けとかものすごく苦手なの。」
　そういいながらも、その女性は奥へ奥へと、進んで行った。
「あったわ。」
　そういった女性の視線の先には、秋の持っている海風のペンダントにそっくりなのが、二つあった。
「こ、これは……？」
「彼女の—奈義沙ちゃんの母親とお兄さんの形見よ。」
「えっ！」
「実はね。彼女、ある王国—コルセッティオ王国の次期女王なの……。」
「コルセッティオ王国？」
　はじめて聞く国の名前だった。
「えぇ。彼女は、正真正銘の王女様。名は……シャクリア—シャクリア・メッカ・コルセントなのよ！」