二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン〜無茶苦茶恋愛妄想小説〜 ( No.266 )
日時: 2010/07/27 18:49
名前: 慶野 昧 ◆vC28/D3I26 (ID: Ru7e1uoX)
参照: http://ameblo.jp/sikayan/image-10575862453-10613582779.html

「なにするんですか? 先輩?」
 春奈はそう聞きながら、スケッチブックをのぞいた。だが、奈義沙はすぐさまスケッチブックを隠した。
「別に。」
 そう答えた奈義沙の顔はなぜか真っ赤だった。
「なんで隠すんですか? 見せてくれたっていいじゃないですか!」
 春奈は口をとがらせながら言った。
「見せたくないから隠すんだ。」
「そうですけど……。どうしても見せてくれないんですか?」
 春奈が奈義沙を上目使いで奈義沙を見た。
「うっ……。」
「海風先輩……。」
「……。くそー! 見たいなら見やがれコンニャロー!」
「ヤッター! ありがとうございます!」
 春奈の満面の笑顔とは反対に、奈義沙は暗い顔になった。
「こ、これは……。」
 春奈はスケッチブックに描かれている絵を見て絶句した。秋も気になって見た。
「うわー! すごーい!」
 スケッチブックには、まだ未完成であったがサッカーをしている男の子が描かれていた。
「これ、誰なの?」
 秋は奈義沙に聞いた。
「……円堂がモデルの……空想上の男子。」
「へー。」
 確かに、円堂がモデルであるのは見れば分かった。
「絵、うまいんだね。」
「べ、別に。」
 奈義沙の顔はみるみる真っ赤になっていった。
(海風さん、顔真っ赤だなぁ。かわいいかも。)
 秋がそう思っているなど誰もわからなかった。
「これって、お兄ちゃんですか?」
 春奈は次々とページをめくっていって、何かを見つけたようだ。秋と奈義沙はのぞいてみた。のぞいた瞬間、奈義沙はもっと顔が赤くなった。
「これって……鬼道君!?」
 紙には、鬼道に何となく似ている少年が描かれていた。
「ま、まぁ……そうだ。目は有くんの目だ。」
「へー。鬼道君って、目が赤いんだ。」
「うん。」
 それからも秋は奈義沙の描いた絵を見ていた。他に、風丸や染岡も豪炎寺もあった。特に、豪炎寺には手を入れているらしく、何枚も描いていた。
「秋ぃー! 何やってるんだ?」
「あっ! 円堂くん! 来て来て! 今、海風さんの描いた絵を見てたの!」
「へー。海風の? 見せてくれないか?」
「俺も見たい!」
「俺も!」
「俺も見たいっす!」
「見たいでやんす!」
「はいはい。順番ですよ、みなさん。」
 ワイワイ……
「おぉーっ! スゲーッ!」
「でしょでしょ! 本当に海風さんって、絵がうまいよね!」
「べ、別に。そんなわけないし。ていうか、よく見てもないくせにうまいって言わないでくれない?」
「なんだよお前。素直じゃねーな。」
「染岡、お前みたいな意地っ張り野郎に言われたくはない。」
「何だとー!」
「まぁまぁ。染岡、落ちつけって。」
「くそっ!」
「……フンっ!」
(二人って、案外仲いいのかも……。)
「そうだ、これ。海風さんからの差し入れ。お菓子だって。」
「さ、差し入れじゃないぞっ! その……えっと……し、知り合いの家に行ったんだがいなくて、それで木野さんにあげただけだ。お、お前たちのために作ったんじゃないぞ!」
(ツンデレ〜! 萌えっ!)
「じゃ、じゃあな。わ、私は帰る。」
「あっ! 待てよ、海風!」
 そう言って、円堂は海風を呼び止めた。