二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 。+゜雨音 A/M/A/O/T/O/゜+。【REBORN!】 ( No.350 )
- 日時: 2010/08/04 10:30
- 名前: 雨宮メグ ◆hjAE94JkIU (ID: nS8l1UZI)
- 参照: http://www.geocities.jp/wsnbb509/tanabata.html
26@ 君の本音
「おい」
私は、驚いて声のした方に振り返った。
「泣いてるんだろ?」
私はあわてて溢れていた涙を手でぬぐう。
「もう遅い。
全部わかってるし…
それに、」
「全部、聞こえてた」
…そう、獄寺隼人は寝てなんかいない。
ずっと聞いてたに決まってる。
だから……私は言った。
“もう少し、好きでいさせて”
と———。
「知ってる。だってわざと言ったんだもん」
「待てよ」
その声で、私の体は完全に止まった。
「お前が泣いているなら———
俺にはやることがある」
『獄寺隼人の好きなように——』
「何をするつも…」
り、と言いたかったが、最後まで言えなかった。
なぜなら、私が再び振り返った瞬間に、
——獄寺に、壁に押し付けられてたから。
「ちょ、何すんの?」
逃げようとしても、逃げられなかった。
獄寺の手によって押さえつけられてるから。
その力は半端なかった。
——完全に、動けない…
「離し「離さない。黙って聞いてろ。」…何…を?」
「お前は雲雀のところへ行く。
—それはわかってることだ。
なら、なんで俺を好きになるんだ?
なんで俺の気持ちを揺らし、動かすんだ?
なんで俺がっ…」
「お前を好きになってしまうんだ?」
獄寺が放った声は、かすかにふるえていた。
「俺はお前が好きなんだ」
「———!」
私の、声にならない感情は、鼓動の速度を上げるだけだった。
「お前が一度、俺のクラスに来たことがあるだろ?」
—…一度だけ、あった。
ゆりなに連れられて、ツナたちを見にいったのだ。
「俺はそん時から、ずっと心にこの感情をかくしていたんだ」
「…一目惚れだった」
「それから、何度かお前から声をかけてきたことがあった」
ツナを見に行った次の日、獄寺と図書室であった。
私は、ツナのそばにいた子だ、と軽い気持ちで声をかけていた。
「俺は、その時素直になれていなかったと思う」
…たしかに、無視されたかも。
「それから、何度か見かけても、俺から声をかけることはできなかった」
「十代目が雲雀と関わるようになってから、俺はお前と会う回数が増えた。
でも、それと同時に、雲雀の幼なじみだと知って、悲しむことも増えた。
でも、俺は、」
「お前を見ているだけでも、幸せだった」
私の声にならない感情は、どんどんヒートアップして、こらえきれない涙となって、
溢れた。
獄寺の手の力がゆるくなったとき、
私はその場にしゃがみ込んで、
私の知らなかった獄寺の感情に
泣いた。
泣くことで、解決できないのはわかってる。
それでも、泣いていた。