二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【REBORN!】幻覚花弁。【オリキャラ募集!】 ( No.104 )
- 日時: 2010/03/30 19:21
- 名前: むく。 ◆Y1ybAG.6mU (ID: 3Pm.pqBy)
◎ #13 —ジャッポーネSUMMER!→
ゆりなが食堂から去った今でも彼女の笑い声が絶えることなく響いていた。何が面白くてそんなに笑っているのかなんて私に分かる筈はない。
私はγ達のいる方向へ体を向け直した。
「じゃあ私はこれで失礼する」
「なんだ、もう行っちまうのか?んじゃあな」
γはここに来た時と少しも変わらない微笑を振りまいた。とりあえず私はトパーツィオファミリーについて詳しく分析でもしよう。
いつ襲われてもいいような身構えでいないとね。
いつもより少し重いような気もする足を持ち上げ出口へ戻ろうとして方向転換をした時だ。
右肩に後ろから掴まれてるような感触が走る。
「ちょっと待て。これを見てくれないか」
その感覚は間違ってはいなかったようで、後ろには口角を微妙に上げたスパナがチラシを片手に、私の肩をがしっと掴んでいた。
「第87回、並盛神社夏祭り…八月二十一日開催」
私はそのチラシに大きく書かれていた文章をそっくりそのまま読んだ。
今日は十九日だから明後日、日曜日か。
「ジャッポーネの夏は夏祭りだろう」
何処から貰って来たのかすら分からないチラシをひらひらと揺らしながら言うスパナ。
「折角日本にいるんだ。四季を楽しまないでどうする」
確かに日本は四季がはっきりとしていると聞いた事があるが、…私達はあくまでマフィアという職業についている。そんな者達が呑気に地上に出て日本の夏を満喫してもいい訳ないと思うんだが。
「ウチ達がマフィアだから…とか考えるな。ほら、あんたの幻覚でこっちにもう一人自分を作れば問題ない」
スパナは軽々と言ってのける。それにしても私の心を読み取ったような発言だな…。
もしかしたら彼には読心術でも使えるんじゃないかと疑い始めたがそんな筈はなく、スパナはとっくにγ達の方へ視点を向けていた所だ。
「あんたらも来るか?」
「郁アネキも行くんだよな?じゃあオイラも!」
その提言に賛成したのは野猿だけで、後の二人は外せない用事があるとかないとかで淡々と断った。
この状況からして断る事はまず無理だと悟った私は諦めてUターンしようとした…
はずだった。
「郁チャーン♪夏祭りだって夏祭り!!あっはは」
ついさっき食堂から姿を消したゆりなが戻ってきたのだ。漫画で描けば下半身に渦巻きがつく程の勢いで。
「地上にちょっぴり顔出してみたらさ、こんなのもらっちゃったよ」
彼女はスパナが持っているのとまったく同じ文章が印刷されている紙を見せながら、私の目の前で急停止した。
「ウチと郁と野猿で丁度その話をしていた所だ」
スパナは私に代わって言う。
「ふーん、そう。じゃあ決まりね♪浴衣買いに行こうよ。こういうのは何日か前にやっといたほうがいいんだよ!ついでにそこの二人も」
言いたい事だけ言ったゆりなは私とスパナと野猿を連れて走り出した。詳しく言うと、ゆりなに腕を取られた私が反射的にスパナの手首を掴み、ゆりなの空いたもう片方の手で野猿をとっ捕まえたという事。
「うお!?まだ飯喰い終わってねーよ!!」
じたばたと抵抗する野猿だが、そんなのゆりなには通用しないようだ。
スパナ曰く、これが日本の夏らしい。
私が今までに過ごした夏はこんなにハイペースじゃなかったと記憶されている筈なんだけど。
これじゃトパーツィオファミリー分析もお預けだね。