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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【REBORN!】幻覚花弁。—*angraecum*— ( No.135 )
- 日時: 2010/04/09 19:05
- 名前: むく。 ◆Y1ybAG.6mU (ID: xO/yAhl7)
◎ #18 —お祭り少女が三人と→
彼女は自慢の超最速走りで廊下を駆け抜けて行った。
こんなに足が速いのなら将来はマフィアではなく、陸上競技の選手にでもなれば良かったんじゃないかと思うね。
ゆりなの足の速さに私たちを必死に目で追って来る隊員が数人いたが、その中のγでさえ、
「誰だありゃ?あんな着物の可愛い子なんていたか?」
とトボけているほどである。
これなら誰にもバレる事なく夏祭り会場へと足を運べるな——。
「あー貴女たち待って!」
なんて思った瞬間だ。後方から透き通った女の声が確かに聞こえた。
彼女は私とゆりなを十秒くらい凝視してから、
「貴女たちも夏祭りに行くんだ?」
とおしとやかに言う。——というか呟いた。
今私たち三人がいる地点は入り口付近で、今は夕食時なのでこの辺りにいる人といったらゆりな、私、そして無邪気な女の子のみだ。
よく見れば彼女は私たち同様の格好、即ち浴衣を着ていて…と気になるのが右手に持っているやや大きめの箱だな。
「あたしも行く途中なの。どう?一緒に行こうよ!」
彼女は周りに聞こえないように声を潜めながら言った。
「勿論いいよ!因みに私は本郷ゆりなで、この子が中津郁チャン♪」
ゆりなは私を女の子の真正面に無理矢理押し出す。目が自己紹介しなさいと言っている様だ。
「宜しく」
私は10°くらいに頭を下げて言う。
「ふーん。ゆりなに郁ねぇ…宜しく!あたしは紫音輪廻だよ。輪廻って呼んでくれたらいいからさ…って何?えぇ!?」
ゆりなは「うりゃっ」と声をあげると即座に輪廻に飛びついた。
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