二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【REBORN!】幻覚花弁。—*angraecum*— ( No.145 )
日時: 2010/04/11 18:39
名前: むく ◆Y1ybAG.6mU (ID: zKIbyn23)

◎ #21 —祭りの作法→


本来なら一本二百円×五本で千円になるはずだったのだが、思わぬサービスで私の出費はゼロとなった。

「近々また話そうぜ」

という山本の声を背中で受け止め、私の帰りを待っている四人の元へと戻る。

私が五本のチョコバナナを持ち難そうにしている姿を捉えた輪廻は、

「こっちこっちー!!」

満面の笑みで大きく手を振った。

「ゴメンね郁チャン。高かったよね」

「それ程でもない」

私は全員に持っていたチョコバナナを配り終えるとそう言う。

「なあ、オイラ金魚すくいやりたい!」

と野猿。

「じゃあ行こうか」

皆は「黒い出目金獲ろうね」などと言って走っていった。

山本とゆっくり話が出来る日はいつになるだろうと考えていると、手に暖かいモノが触れる。

「ウチはあんたが迷子になるか心配だ。こういう時カップルは手を繋ぐのが作法だろ?」

それはスパナの手だった。

「私たちはそのような関係ではない」

「だが、今日だけはウチの我がままを聞いてくれないか?」

彼の問いに、私はこっくり頷いた。