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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【REBORN!】幻覚花弁。—*angraecum*— ( No.168 )
- 日時: 2010/04/27 18:24
- 名前: むく。 ◆Y1ybAG.6mU (ID: 0iVKUEqP)
- 参照: http://www.kaki-kaki.com/bbs_test/view.html?335272
◎ #24 —ワンタイム・メモリー→
「おっ!凄ぇな。アレ、お前が打ち上げた花火だぜ」
山本は大きな右手を私の肩にそっと乗せると空いた左手で彼方此方に飛び散る花火を指さす。
私は数秒夜空を見上げ、彼の履いているビーチサンダルに視線を落とした。
「…覚えてるか?」
急に大人しくなった山本は、一歩近寄って私の頭を撫でる。
「俺たちがまだ小せぇ頃さ、二人でよく祭りとか行ったりキャッチボールやったよな」
そんな記憶は未だ脳裏に焼き付いているな。
「泥塗れになって親父に怒られたっけ?」
いつもの笑顔を倍にしたくらいに笑う山本。
「別々の小学校に上がった時はもうお前とキャッチボールできねぇのかって悲しくなったんだぜ」
彼はしゃがみ込んで私を見上げてぎゅっと手を握った。
「一丁やろーぜ!ミットなら俺ん家から持ってくるからよ」
キャッチボールか。最後にやったのは確か幼稚園の卒園式の時だ。
山本は私が頷く前に、花火師の仕事(仮)を放棄して東へ走って行った。こんなに人がいるのだから、一人ぐらい欠けても何の問題も無いと思うけど。
次々に打ち上がる花火に照らされながら、私は握りしめていたチョコバナナを一口食べた。
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