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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【REBORN!】幻覚花弁。—*angraecum*— ( No.46 )
- 日時: 2010/03/25 19:14
- 名前: むく。 ◆Y1ybAG.6mU (ID: jM89U6Tv)
◎ #10 腹ごしらえ。
スパナと野猿が協力宣言をしてから二時間程経った。
東から昇った太陽は既に真上に移動し、夏の今には耐え切れないくらいの日差しを送り込んでいる。
腹が丁度唸り声を上げる時間帯でもあるね。
だが私の腹は食べ物を消化しているのかと疑う程、唸り声は勿論、輪ゴムを落とした時の微かな音すら鳴らってはいない。これも私にとっては当たり前の事に過ぎないんだけど。
時計を数秒見つめた私は二人がいなくなった部屋を離れ、食堂へと向かった。
自室から食堂へ行くのに時間は掛からない。せめて一、二分くらいであろう。
カツカツとブーツの音を立てて廊下を歩いていると何やらそっちの方から騒がしい声が聞こえてきた。
食堂が開くのは十二時前後だ。そして今は十二時三十三分。約三十分の間にかなりの隊員が押し寄せてきたに相違ない。
中を覗くとほぼ満員状態に近かった。空いている席といえば窓際の日光が当たる席くらいである。
「お、郁じゃねーか。隣空いてるぜ」
私がスライド式の透明なドアから顔を出すと、それに気づいた第三アフェランドラ隊隊長のγが片手を振ってきた。
「座らせてもらう」
自分の席を決めれば後は注文を残すのみだ。体力をつけるために肉でも食べよう。
カウンターの上に提示されているメニューの中で一番最初に目に入った物…ハンバーグでいいや。
私はγに浅く会釈し、混雑しているカウンターへと向かう方向を変えた。
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