二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【REBORN!】幻覚花弁。【オリキャラ募集!】 ( No.63 )
- 日時: 2010/03/27 11:23
- 名前: むく。 ◆Y1ybAG.6mU (ID: 5BfKe2TC)
- 参照: http://www.kaki-kaki.com/bbs_test/view.html?329552
◎ #12 太陽のように
「郁?動きが止まってるぜ」
γは顔を覗かせる。
「なんでもない。ただ考え事をしてただけ」
他のファミリーまでもが白蘭と似たような作戦を練ってくるとは…
「まあ郁ならんなモンどうって事ねーよな」
太猿はコップに半分くらい入った水をぐいぐいと飲み干しながら呟いた。
私がトパーツィオのボスの娘である事くらい彼らは知っている筈だ。あらゆる手を尽くしてでも情報入手に精を出すだろう。
「おっ。郁アネキこの芋喰わねーの!?じゃあオイラが貰うぜっ」
すると食堂に来てから一度も声を聞いてなかった野猿がテーブルの上に身を乗り出し、フォークで私の皿に乗っている芋を刺した。
「こら野猿。往生際が悪いぜ」
γは微笑を溢しながら野猿の右手をばしっと叩く。まるで子供を躾ける父親のようだ。
「悪かったよγアニキに郁アネキ!」
と言いつつもフォークの先の芋を口に運ぶ野猿。これには流石にγや太猿も呆れている。
「いい。これは全部あなた達にあげる」
私はこれ以上特に何も食べたくなかったので、自分のハンバーグを十センチくらい前に押し出した。
「本当にいいのか?郁も少しは栄養取りな。これ以上痩せたらごぼうになっちまう」
「遠慮しておく。私は人間だからごぼうにはならない」
私はγの軽い冗談を間に受けて席を立つ。振り返った先に人がいる事も知らずに。
「うわあ!」
人とぶつかるのは今日で二回目だ。私より背の低いその影を見降ろした。
「いっつつー…あ、ゴメンねっ!!ぶつかっちゃったよ、あははっ!!!」
その人は私を見上げながら子供のような笑みを見せる。野猿とは何か感じが違う気もするな…
「まー気にしないでねっ♪私は本郷ゆりなっていうの!!」
そして彼女は勝手に自己紹介するなり抱きついてきた。
「う〜ん、可愛いね君!名前は?」
「郁。中津郁」
童顔なゆりなの顔をなんの感情も無しに見つめていると急に顔を上げ、
「じゃあ郁チャン♪仲良くしよーねっ」
ブンブンと手を振り回しながら握手をしてくるゆりなに、私はゆっくりと頷いた。
私とは正反対な女の子だな。太陽みたいな笑顔をしてる…
「んじゃまたね!ばいばーいっ」
彼女は大きく叫びながら食堂の外へと走って行く。
「宜しく」
と、ゆりなの笑顔が消えるまで見送ってから呟いた。