二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン〜試練の戦い〜 ( No.123 )
- 日時: 2010/10/07 14:25
- 名前: しずく ◆snOmi.Vpfo (ID: 2lvkklET)
- 参照: 復活の絆聞きたいのですよ〜あうあう。
いよいよ後半戦に入った。
ここまで完全に雷門の圧勝である。スケットのアイリスが優秀なのと、吹雪を除いたサッカー部メンバーはどうも実力が低いらしいおかげだ。染岡が睨みつければ、すぐに逃げてしまうし、パスを回しても、必ずと言っていいほど雷門にカットされてしまう。あんまり素早くない壁山ですらカットできるんだから、わかりやすいものだ。
しかしDFの吹雪は厄介で、すぐに邪魔されてしまう。つっこめば<アイスグランド>がくるし、フェイントをかけると素早く回り込まれる。
圧勝とはいえ、たいしてシュートは打てず、雷門2点に白恋0点と言う微妙なスコアのままだ。
「ふ、吹雪く〜ん」
フィールド中央にあるスコアボードを見ていた紺子が、吹雪に懇願するような声を出す。白恋のメンバーも、何やら必死に訴えかけるような表情になった。吹雪はメンバー全員を見渡してから頷き、
「それじゃあそろそろ反撃しようかな」
チームからわっと歓声が上がった。
白いマフラーを手でつかんだ吹雪は静かに目を閉じ、俯く。
「……出番だよ」
その途端、すざまじい冷気を伴った風が雷門イレブンにに吹きつけて来た。かなり強く、風に身体を持って行かれそうになる。雷門のユニフォームは半そでだから、寒さが身を震わせる。が、それはわずか数秒の出来事だった。すぐに弱い風となり、寒さも和らいだ。だが、相変わらず張りつめたような寒々しい空気は残っている。
冷気の方を見やると、吹雪がいた。冷気は吹雪を中心におこり、雷門に吹きつけているようだった。だが様子がおかしい。俯いたまま口元に浮かぶ笑みは、何やら獰猛だし、垂れていた青白い髪の毛が、さらに白みを帯び、上に跳ねているではないか。まるで別人がいるよう。
「うぉおおおおおおおっ!」
狼が上げるような雄たけびを、おとなしいはずの吹雪が上げたことに、雷門サッカー部は驚愕する。同時に寒い空気も消えた。
「な、なんだ!?」
「これくらいで驚くとは、しょぼいやつらだな。イイかよく聞け!」
荒々しくも自信に満ち溢れた口調が、吹雪の口から発せられる。
雷門イレブンは固唾を飲んでみることしかできない。
「オレがエースストライカー”吹雪 士郎”だ!」
そして下を向いていた吹雪が顔を上げる。また冷気が波となって襲い掛かってくる。
垂れていた青緑の瞳は、吊目のオレンジ色の瞳に。頼りなそうだった目元も、きっと吊り上っていて強いライオンのような威厳(いげん)を保っていた。さっきまでとは、正反対の吹雪がそこにはいた。
〜つづく〜
初アツヤ描写!なんか吹雪の変身ってすごいですよ!って書いてて思いました。アツヤの雰囲気出ているといいなぁ。次回はエターナルブリザードを書きたい。