二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン〜試練の戦い〜 ( No.134 )
日時: 2010/08/25 13:44
名前: しずく ◆snOmi.Vpfo (ID: 2lvkklET)

 ホイッスルが吹きならされると同時に、雷門は勝利の歓声を上げ、白恋は残念そうに、だが満足気味に項垂れていた。そして、『吹雪』の様子が変化する。 
 跳ねていた髪と吊り上った目は再びたれ気味に。優しい目つきへと戻り、また温和な印象を与える。ライオンのような威厳を秘めていたオレンジの瞳も、森の様な静かさを秘めた青緑へと戻っていた。試合前の、温厚で頼りなさそうな「吹雪 士郎」そのものだった。
 その吹雪は、ふぅ……とため息をつき、円堂の近くに歩み寄ってきた。

「さすがだね、円堂くん。負けちゃったよ」
「そんなことないぜ! おまえの<エターナルブリザード>だって、すごかったぞ」

 円堂と吹雪は、互いの手をしっかりと握り、互いの顔をしっかりと見据え、握手をした。吹雪も円堂も、力強く握っていた。
 そこへ、瞳子監督が颯爽(さっそう)と二人の方へ歩み寄ってきた。吹雪は円堂から手を離し、瞳子を見つめる。

「吹雪くん、あなたイナズマキャラバンで全国を旅してみる気はない?」
「え? 全国ですか?」

 瞳の口から出た言葉に、吹雪は驚きの色を見せた。
 円堂が、いままでの旅の経緯を単純に吹雪に話す。雷門中学校はエイリア学園と戦うため、強いストライカーを探すためにこの白恋中学校まで来たと。
 話し終えると、吹雪は納得した表情でうんうんと頷いて、

「なるほど。強いストライカーを探していて、ボクに白羽の矢(しらはのや)が立ったわけだね。面白そうだし……ボクはかまわないよ」
 
 快諾してくれた。
 染岡が露骨に嫌な顔をするが、円堂は気付いていなかった。すぐに次はどうするか? と言う方に考えが行ってしまう。
 
「じゃあ、これからどうします? 監督?」
「……そうね」

 考えがないのか瞳子が宙に視線を泳がせていた時。 一人の白恋中学校の女子が、息せき切って階段を降り、瞳子の元へ走り込んできた。女子の顔は汗まみれで、呼吸も荒い。その子は数回深呼吸して息を整えると、慌てた素振りを見せる。

「た、大変だっぺ! 今、監督がエイリア学園から襲撃予告が来たって」

 早口で口を開きながら、女子は一枚の茶封筒を瞳子に手渡した。表面に『雷門イレブンへ』と達筆な字であて名が書かれている。消印、切手はともになし。瞳子が封筒をひっくり返すと、差出人の名も書かれていなかった。

「エイリア学園からだって!?」
「あいつら北海道に来てたのか!」

 雷門イレブンが手紙のことで騒ぎ立てると、瞳子が今から読むから静かにしなさい。と注意された。瞳子が中から四つ折りにされた便箋一枚を取り出す。
 この場にいる全員が口をつぐみ、瞳子が読み上げる声だけを聞く。

「読むわよ。拝啓 雷門イレブンへ……」

『 拝啓 雷門イレブンへ
 我々はエイリア学園、セカンドランクチーム『ジェミニストーム』なり。
 雷門イレブンよ、貴様らが北海道の白恋中学校にいることは既に我らは知っている。唐突だが、今から3日後の正午……貴様らに再戦を申し込む。場所は知っての通り、白恋中学校だ。断わることなど許されない。断わったとしたら、白恋が雷門中のようになる。
 せいぜい準備をしておくことだな レーゼ』

〜つづく〜
今日もショートですw
本当に塾が多すぎ^^;