二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン〜試練の戦い〜短編リク募集中♪ ( No.194 )
- 日時: 2010/10/27 17:36
- 名前: しずく ◆snOmi.Vpfo (ID: 2lvkklET)
- 参照: ジ・オーガ欲しいのにお金ガッ!セーフじゃねぇ
白恋中学校正門前には、既にイナズマキャラバンが止まっていた。雷門サッカー部のメンバーは、一番初めに来た瞳子を先頭に、ぞくぞくとキャラバン内に乗りこんでいく。風丸に先を譲り、風丸が先にキャラバン内へ入って行くのを見送っていると、視界に黒い物体が飛び込んできた。
「あ、ハト? それともカラス?」
イナズマキャラバンの昇降口の上あたりに、一匹のハトが止まっていた。
見た目こそ、神社や町中いたるところに出没するハトとなんら変わりはないが、その全身は黒。カラスと同じ色の体毛なのだ。しかも野生のハトにしては、その体毛は光沢があり、毛並みもいい。
そのハトは、太陽を思わせる金色の双眸で、静かにこちらを見下ろしていた。ただのハトにしてはずいぶん存在感を感じさせる。
「ハト? こいつはカラスじゃないのか?」
「え〜でも、これはどう見てもハトだと思うなぁ」
円堂が首をかしげ、蓮が腕を組んで、ハトと睨みあいをしていると、ハトはプイッと横を向いた。
小さな翼を広げ、羽音を立てながらみるみるうちに大空へと消えていった。
二人は呆気にとられてハトを眺めていたが、やがて既にキャラバンに乗っているメンバーが窓から顔を出して、こちらを見つめているのに気がついた。二人とも、バツが悪そうな表情で互いを見やり、
「ところで吹雪くん、キャラバンはどう?」
「イナズマキャラバンは、すごいだろ?」
話題をそらすかのように、後ろにいた吹雪に話しかける。吹雪はにっこりとほほ笑むと、
「イナズマキャラバンって、思っていたよりも広いんだね。うん、これならみんなと楽しい旅ができそうだよ」
感慨深くキャラバンを見た感想を述べた。そっか〜と言いながら、円堂がチームメイトの視線から逃げるように、そそくさと早足でキャラバンに滑りこんでいく。
蓮は吹雪と苦笑いをしながら、後に続く。むっとした車独特の匂いが鼻をついたが、もう慣れた。キャラバン内は、外に比べるとほんの少しだけ暖かい。蓮は自分の席に座ると、ジャージ上下を身にまとった。吹雪は蓮の席から数えて二列後ろの染岡の隣に座り、楽しそうに染岡と話し込んでいる。
「それで……瞳子監督。次はどこへ向かうんですか?」
ジャージを身に付けた蓮の横で、円堂が前の座席に座る瞳子に尋ねる。瞳子は立ち上がると、キャラバン全体に響くような大声で、
「まずは京都に向かうわよ。今、SPフィクサーズに頼んで、京都でエイリア学園から襲撃予告があった学校を探してもらっているところ。場所がわかり次第、そちらへ向かいます」
「それじゃあ、まずは京都に向かうことになるんですね」
「そういうことになるわね」
「よし。それじゃあ出発するぞ!」
古株の声が合図で、エンジンが唸り始め、同時に白恋中学校がどんどん遠くなり始めた。
(イプシロン……いったいどんな奴らだろう)
*
同時刻。
「”ジェネシス”の座は……”ガイア”のものです」
「わかりました。父さん」
「なっ! 父さん、何故オレたち”プロミネンス”ではないのですか!?」
「我々ダイヤモンドダストも何か……」
「ガゼル、バーン。聞こえませんでしたか? ジェネシスの座はガイアのものだと——」
〜つづく〜