二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン 試練の戦い ( No.2 )
日時: 2011/07/04 16:57
名前: しずく ◆snOmi.Vpfo (ID: PODBTIS5)
参照: 時間がないので、また今度;;

序章〜I will〜


「……なぜだ」

 誰かが泣いていた。
 泣こうと思って泣いてるわけではないのに、自然と涙があふれてくる。もう自分では止められない。ひねっリぱなしの蛇口のようにとどまることを知らない。 大好きだったあの人に裏切られ、大好きだったあの子を傷つけた。もはや自分を支えてくれる人などこの世にはいない。あの人に裏切られることはまだいい。納得がいく。でも、あの子を傷つけてしまったことだけは許せなかった。作り上げた氷は、轟音と共に崩れてしまった。後には、残らなかった。空虚だけが……心を覆う。
 その誰かの横でやっぱり誰かが、涙を滂沱のように流している。喉を震わせ、しゃくりあげている。

「あいつを……取り戻したい。オレたちには、あいつが必要なんだっ」
「私もだ。珍しく意見が合うね」

 二人は顔を上げた。
 思い出が走馬灯のように蘇る。悲しいかな、あの子が笑う顔ばかりだった。からかうといじけ、むくれる。綺麗なものをみるとすぐにはしゃぐ子供っぽさ。不思議な子だった。でも、その先にはいつも笑顔があった。パッと周りを明るくするあの笑み。宝石や——大好きなあの人よりも大切な宝物。だが、どんなに望んでも、あの子は決して自分たちには見せてくれないだろう。
 二人の瞳は潤んでいるが、その先には異様すぎるほど強い眼光が宿っていた。同じことを考えているのだろう。もう戻れない、と言う強い決意のぎらめき。

「これなら……きっとあいつを取り戻せる力をくれる」

 一人が何かを手に取った。
 それは彼の手の中で激しく点滅している。
 
「得られるのか?」

 もう一人が尋ねる。

「ああ。絶対に」

 一人が頷いた。もう一人は覚悟を決めたような顔で一人の手の中の”あるもの”を見つめる。

「……私の身など滅んでしまってもいい。取り戻せるのなら——」
「あいつを絶対に取り返してやる!」

 二人は……まがまがしい、空間を切り裂くような光に包まれていった。

「……ん? 今日は雨かな?」

 少年はバスの窓から手を伸ばし——静かな雨へと指先を伸ばす。その先の思いなど知りもせずに。

第一章 宇宙人襲来!? 

 朝だった。太陽は東の空に昇り、眩しく輝きながら大地をゆっくりと暖めている。
 そんな空の下にある住宅街に、一軒の家がある。長方形の、赤い屋根が目立つ一軒家だ。大きさは、辺りの家々と同じほど。その家の二階の部屋に、少年はいた。
 部屋はお世辞にも広くはないが、机やタンス、ベッドなど、生活に必要なものは一通り揃っている。
 机の上には数学のノートと教科書が置いてあり、青いグリップ製のシャーペンが数本、教科書の上に放置されていた。タンスの上には、白いYシャツと、群青色の学ラン、ズボンが吊るしてある。
 その服の主が、ベッドの上にいた。
 部屋の脇に置かれた木枠のベッドに、簡単なマットレスがある。その上でサッカーボールがファンシーに散りばめられた小学生が持っていそうな掛け布団にくるまって、顔を横に向けて寝ている。
 年のころにして、十代の半ばか。短い黒い髪は、今はしっちゃかめっちゃかに跳ねて炸裂している。少年は目を閉じて、小さく口を開けて、

「アニメイト〜。東京に行ったら、行き放題だ〜。まさにここは、夢の国〜」

 意味不明かつ怪しい寝言を呟いていた。
 そんな時だった。家が細かく揺れた。地震かもしれないが、少年はお構いなしに、寝返りをうって顔を壁側に向ける。すーすーと静かな寝息を立てながら、幸せそうに寝ているのだった。
 しかし続いて、爆発音が聞こえたときには、さすがに目をパッチリと開けた。ゆっくりと上半身を起こすと、頭を左右に動かして、辺りが安全であるかを確かめる。その時、頭の位置にあるデジタル時計に目がいった。文字盤をしっかりと見つめる。

「はちじ……ごふん?」

 液晶画面にはそう表示されていた。
 途端少年は、弾かれた様にベッドから飛び出し、激しく手を動かしながら、着替えを始めた。まず上下のパジャマのボタンを大急ぎではずし、ズボンと共にベッドの上にそのまま投げ捨てる。続いてタンスの上にかかっているものを着用し、制服姿になった。最後に机の脇にかかっている白い肩掛けかばんを手にして、

「……やっべ。遅刻だ」

 壮絶な勢いで扉を開き、ドタバタと大きな音を立てながら、階段を下りていくのだった。

〜つづく〜
今更序章追加。先の展開丸わかりですねwww

オリキャラ集(徐々に追加)
名前(白鳥 蓮(はくちょう れん))
別名(サッカー好きな草食男子)
性格・その他(親の都合で雷門に転校してきた中学二年生の少年。基本的に大人しく穏やか。ちなみに素直で表情がすぐに変わるタイプ。ですがこう見えて演技が得意だったり、策略家だったりと色々凄い人物。ドスヲ聞かせた演技には定番がある。
 何故かサッカーを長いことプレイしただけで、倒れてしまう。涼野や南雲とはどうも顔見知りらしい。ちなみに寝言でよく、アニメキャラの名を呟いている。)
容姿(耳までの黒いショートヘアーに、大きな漆黒の瞳を持つ。なかなか整った顔つきをした、そこそこ美少年。背は鬼道とほぼ同じくらいで、ほっそりとした体格の持ち主。その割に身体は筋肉質。)
位置(DF。俊敏性に優れ、ボールカットなどを得意とする。小さい頃はFWだったらしい)
必殺技(DF→アイス・スパイクル        一言で言うと、アイスグラウンドの広範囲版。フィギアの選手のようにフィールドをどんどんジャンプし、着地点をどんどん凍らせ、氷のとげで相手を襲う)

○エイリア学園

ライザーシルフ
エイリア学園の謎のチーム。エイリアでの呼び名は「急風のシルフ」。かなり高い実力を持つ。黒いローブを愛用し、大抵その姿で登場する。

フィー
ライザーシルフのキャプテン。頭にはゴーグル(鬼道さんみたいなやつ)をし、髪は耳にかかる程度の茶髪。位置はFW。常に淡々とした口調で話し、感情と言うものをあまり感じさせない。グランの幼馴染らしい。

フェーン
ライザーシルフの一人。位置はDF。非常にお調子者だが、ぬけめがない。ケロ○が大好きで、よく真似をしている。

リアティ
研崎に従う謎の生物。外見は白いハトであるが、何故か話すことができる。軽いノリで話すが、言っていることは極めて冷酷。

吉良星次郎を『大仏』、研崎を『羽崎』と呼ぶ。

ミスティ
黒いハトの姿をした生物。語尾に「〜です」とつけて話すが、やたらと言葉を言い間違える。蓮の記憶喪失の真実を知っているようだが……?