二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン〜試練の戦い〜! 人気投票ご協力願います! ( No.222 )
- 日時: 2011/01/07 12:08
- 名前: しずく ◆snOmi.Vpfo (ID: Ua50T30Q)
「ふふ。今年の初めての言葉にできて嬉しかったよ」
「ろ、ろくでもない言葉が今年の第一声になったぁ」
アフロディが満足そうに蓮に笑いかける中、蓮は対照的にしゅんとし、がっくりと頭を垂れた。あけましておめでとう! と言いたかったのに、アフロディのせいで見事にろくでもない年越しをしてしまったものだ。間違いなく図っていた。きれいにだまされた自分に苛立ちを覚える。
「あ、あけましておめでとう、だな。アフロディ、風介、蓮」
南雲は新年を迎えたことに気づくと、立ちあがって、部屋内にいる三人に新年のあいさつをした。すると横にいる涼野も立ち上がり、
「メリークリスマス。アフロディ、晴矢、蓮」
真顔で一週間ほど前に終わった行事のあいさつをした。
「クリスマスはもう終わっただろ」
南雲が突っ込むと、涼野は不思議そうに首を傾げる。
「だが、韓国では年を越したらまずこう挨拶をするとアフロディが言っていたぞ」
絶句した南雲であったが、切り替えるように咳払いをし、視線を宙に彷徨わせながらつっかえつっかえに、
「な、なあお前ら。き、聞いてほしいことがあ、あんだけど」
「なんだよ?」
「何?」
三人が一斉に南雲を注目する。南雲は俯き、ばつが悪そうに頭を掻いていた。ややあって、断言する。
「こ、今年もしっかりサッカーやろうな」
何を改まって……と蓮がポツリとこぼし、涼野とアフロディが頷く。南雲は数秒固待ったのち、自分の手を伸ばした。
「だ、だからよ! 景気づけにみんなで手を合わせようぜ。ほら、オレの手の上に手を置け」
座っていた蓮とアフロディが立ち上がり、涼野の横に並ぶ。
「じゃあ風介から」
蓮が涼野の手を掴んで、南雲の手の上に運んだ。自分の手の甲と南雲の手の甲が触れた瞬間、涼野は嫌そうに顔をしかめる。
「何故晴矢の上に置かなければならないのだ」
「ファイアードラゴンのベストパートナーなんだしな」
涼野の不平を蓮はウィンクをして軽くいなし、涼野の手の上に自分の手を重ねた。
「じゃあ最後はボクだ」
その上にアフロディの白くほっそりとした腕が載る。こうして四人の手が重なると、
「お、少し重いな。行くぜ! ファイアードラゴン!」
南雲が掛け声を発し、
「えい、えい、おー!」
ノリの言い蓮が続きの掛け声。おーで四人は手を上から下に勢いよく振った。
*
それから約一時間後、宿舎階下の食堂。
「ふぅ」
深夜の静寂にファイアードラゴン主将——チャンスゥのため息が溶けていく。深夜に食堂にいると言うのもおかしいが、チャンスゥは何故か割烹着(かっぽうぎ)を着ていた。頭に白い三角布を巻き、白いかっぽう着と言うどこぞの古き時代の母を思わせる姿だ。韓国とかツッコミはなし。ここ超次元だし。
「これで正月を迎える準備はできました」
チャンスゥは満足そうに机に置かれたものを見る。
机の上にはきれいなおせちがあった。三段重ねの重箱の中に、こんぶやえびやだしまきたまご、くりきんとき……様々な縁起物が、色鮮やかに並べられている。チャンスゥが一日かけて一人で作り上げたもので、彼には称賛の言葉しか送れない。
「そういえばアフロディ達が急に静かになりましたね」
重箱を重ねてふたをし、冷蔵庫にしまいながら、チャンスゥは何気なく天井を見やった。先ほどまでばたばた言っていた階上は、何事もなかったのように静けさを取り戻している。
「おやおや」
アフロディの部屋に入ろうとしたチャンスゥは足を止める。
部屋の中では四人が雑魚寝していた。アフロディのものであるはずのベッドは涼野が一人で占領し、掛け布団に潜り込んでいる。素足が布団からはみ出している。
そのベッドの下で南雲がベッドにもたれかかるように膝を抱えている。首を斜めにして、目を閉じている。横では、蓮が南雲の肩に寄り掛かり、アフロディは蓮の肩に身体を預けて寝ている。三人で、一枚の毛布に潜っていた。たいして長さがないが、毛布はひざかけのようにしかならない。
涼野は心地よさそうな寝顔だが、ベッドに入れない三人は小刻みに震えていた。寝苦しそうに、顔に皺を寄せている。ジャージで寝ているとはいえ、寒さはかなりこたえるはずだ。
「風邪をひきますよ」
足音を立てないように入ったチャンスゥは、微笑みながら、部屋のエアコンのスイッチを入れてやった。
*
翌日。白いカーテン越しに朝の柔らかい陽光が差し込み、南雲は目を覚ました。昨日は冷えていたのに、部屋は生暖かい。
ふっと目を横にやると、蓮の顔がすぐそばに来ていて驚く。だがその体勢のまま、南雲は独りごちる。
「なあアフロディ、風介、蓮」
「聞いているか? 本当はオレ、別のことを言いたかったんだぜ?」
返事はない。
「……3人とも、去年はいてくれてありがとな。一緒にサッカーが出来て嬉しかったぜ」
南雲は恥ずかしげに囁く。
本当は昨日、新年最初の挨拶にと意気込んでいたのだが、結局言えずじまいであった。恥ずかしさが言おうとする気持ちを上回ってしまったからだ。まあ手を合わせられたあれはあれでよかったのだが。
「アフロディ、今年はカオスブレイクをもっと強化しようぜ」
「蓮、今年はもっと話そうな。今までの分も、な」
眠っている二人に話しかけ、後ろでベッドを占領するにっくき敵を見る。蓮を身体からずりおろさないように注意しながら、限界まで身体をひねった。
「風介は」
数秒考えたが、
「……今年も仲良くしてやるから感謝しろ」
そんな言葉しか出てこなかった。
〜おわり〜
休みとか言っていましたが、新年のあいさつを忘れていたので調子に乗って掻いていしまいました^^;やっぱりカオスブレイク組と蓮の話はどうも筆が進みますv
ちなみに韓国の新年のあいさつは「カムサハムニダ」(新年の福を沢山もらってください=新年明けましておめでとうございます。)とネットにありました。ハングルは読めないので何とも言えませぬ。
涼野はアフロディにおもちゃにされている設定,
チャンスゥはみんなのおかんだ! と友達が言うのでそんな雰囲気で書いてました。本当、イナズマジャパンとファイアードラゴン、蓮はどっちに所属すべきか決めかねます……アンケートでご意見を聞かせてださい!
一日過ぎたらアンケートが一通来ていました!一票も来ないかと不安だったので嬉しいです!ふぁいんさんにマジで感謝!
読者様が少ないのに、こんなことするのが無謀なことはよ〜く承知していますが……やっぱりやってみたくなります><長いのでダリ~って方は、一番だけでも。来ないと悲しいんですよ^^;
と言っても仕方ないので、今後の予定をちょっこし。2月、早くて一月の下旬には真・帝国偏行きます。オリキャラが多いので(帝国人気すごい!)頑張って行きます!
最後に。それではみなさま、よいお年をお迎えくださいb(本題v)
次は一月終わりにお目にかかります!