二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン〜試練の戦い〜☆アンケート中! ( No.242 )
日時: 2011/02/01 18:28
名前: しずく ◆snOmi.Vpfo (ID: Ua50T30Q)

「それでね、瞳子さんにキミたち3人の仲直りを手伝ってほしいって頼まれたんだ」

 もちろんこれも嘘だが、喧嘩をしている人間を見ると、どうしても手を出したくなってしまうのが蓮の性(さが)である。それに幼い涼野についていけば、自分があったサッカーが上手い男の人に会える様な気がするのだ。謎を解きに過去に来たのだから、解くまでは帰れない。目金も見つかりそうにないし、幼い涼野と一緒にいても大丈夫だろう。
 優しく語りかけた蓮の言葉を聞いた途端、幼い涼野の瞳(め)が輝いた。

「ほんとうか?」

 幼い涼野が嬉しそうに聞いて、蓮は幼い涼野を愛でる(めでる)ように目を細めながら頷いた。そして幼い涼野に、すっと片手を差し出す。

「さあ、風介くん。いっしょに仲直りしにいこう」

 優しく微笑みながら蓮が言う。
 差し出された蓮の手を、幼い涼野はしばらく不思議そうに眺めていた。が、おもむろにブランコから片手を離すと、差し出された蓮の手を取る。その時、幼い涼野の顔がわずかに動く。

 
「れん?」
「え」

 幼い涼野が自分の名前を零し、蓮は思わず調子外れな声を出してしまった。
 幼い涼野は蓮の手を掴んだままブランコから降り、蓮の隣に並び、澄んだ青緑の瞳を蓮に向けて来た。こうして並んでみると、幼い涼野は蓮の腰ほどの背丈しかない。

「おにいちゃんのては、れんのてみたいだ」

 蓮の手の暖かさを感じようとするかのように、幼い涼野は掴んだ蓮の手の甲を自分の頬に当てた。子供らしい柔らかな感触が手の甲をくすぐった。くすっぐたさを感じた蓮は少し噴き出してから、目を細めて、慈愛に満ちた視線で涼野を見下ろす。

「そうかな」
「そうだ」

 短く答えると、幼い涼野は自分の頬を蓮の手から話し、一層強く握ってくる。まるで、離れないでほしいとでも言うように。冷たい感覚が手のひらに広がった。
 その瞬間、蓮は幼い涼野が不安がっていることを悟る。幼い晴矢や幼い蓮と喧嘩し、謝りに行けないから、ここで一人でブランコをこいでいたのだろう。現に見上げてくる青緑の瞳には、嬉しさと恐怖が綯い交ぜになっているし、何より助けを求める瞳だった。

「だいじょうぶ」

 蓮は、幼い風介をしっかり見て、言い聞かせるように呟く。

「風介くんは一人じゃないよ。僕も一緒にいるから」

 答えるように、蓮は幼い涼野の手を優しく握った。その手は、蓮の手ですっぽりと覆えてしまう程小さいものだった。小さいが、どこか懐かしい感じを蓮は覚える。

「……あったかい」

 幼い涼野は、甘えるように言った。

〜つづく〜
今日は学校が休みなのでこんな時間にやっております。

また幼い涼野が主体ですが、幼い南雲と幼い蓮も少し書いてみたり。
ちなみにいちごを食ったという話は実体験が元話です。幼稚園時代の三大恥ずかしい思い出の一つです^^;

ちなみに、蓮が偽名に使っていた『ロトス』は、ボツにした蓮のエイリア名。蓮は本来蓮(はす)と読み、それを英語にしただけですv

……タイトルどうしよう