二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン〜試練の戦い〜☆番外編更新中 ( No.248 )
- 日時: 2011/02/05 13:20
- 名前: しずく ◆snOmi.Vpfo (ID: Ua50T30Q)
- 参照: 終わったらどっちがかわいかったかアンケート取ろうかな?
直後、幼い南雲はしょんぼりしている幼い涼野を見た。何か言いたげな瞳で幼い涼野を眺めているが、それ以上は何もしない。じっと幼い涼野を睨むように見ているだけだ。幼い涼野はずっとボールに視線を落としたまま、顔をあげようともしない。互いに話しかけづらい空気が、二人の間には完全にできあがっていた。
第三者が介入しないとぶち壊れないだろう重い空気を壊すため、蓮は幼い南雲に呆れたように話しかけてみる。
「キミさぁ、少し素直になったら?」
そもそも小さい南雲が意地を張ったりするから、話が一向に進まないのだ。時折謝りたがる素振りは見せるものの、なにかと駄々をこねて、自分は悪くないと主張している南雲のせいで、仲直りが進まない。
蓮が話しかけると、事体の根源は、うるさそうに顔を上げた。
「おれは、ふうすけもれんもゆるさない」
「あのねえ……」
まだ意地っ張りを続ける幼い南雲に蓮は絶句した。こいつに言葉は通じないと早くも悟り、蓮は幼い南雲の手を軽くつねった。いてっと、幼い南雲が声を張り上げ、幼い涼野が反射的に顔を上げる。
「晴矢くん、痛いでしょ?」
蓮は哀れむような悲しげな表情で幼い南雲に聞いた。同時に、幼い南雲の手から指を離す。
「こんな風に人が嫌がることをしていいのかな? 人のものを勝手に食べたりしていいの?」
その言葉を聞いたとき、幼い南雲ははっとした表情になった。つねられていた箇所をさすりながら、目を丸くしている幼い涼野を見やる。おれが……としたことを後悔するような声色で、幼い涼野に何か言おうとしたが、決まりが悪そうに横を向いてしまった。蓮はアンニュイにため息をつくと、幼い南雲に優しく声をかける。
「晴矢くんもさ」
声をかけられた瞬間、幼い南雲は警戒気味に身構える。どうやら、蓮が再度何かするものだと思っているらしい。その様子が何だかおかしくて、蓮は小さく笑いながら、幼い南雲の頭に手を伸ばした。ぶたれるとでも思ったのか、幼い南雲はびっくと身体を震わせ、目を閉じる。すぐに目を開けた。
蓮はぶつのではなく、幼い南雲の頭にそっと手を置いた。ただし、頭のチューリップは壊さないよう気を使い、額の上辺りに置いたが。そして静かに幼い南雲の頭をなで始めながら、年上らしい、穏やかな口調で蓮は、語りかける。
「食べられて嫌だったから喧嘩しちゃったんだよね。僕だって、好きなもの横取りされたら怒りたくなるし・・・・・・その気持ちはわかる。でも、”嫌だ”っていう気持ちは風介くんや蓮くんも同じだよ。同じだから、晴矢くんと同じように怒っちゃったんだよ」
「…………」
静かに頭をなでられている幼い南雲は、目を細め、黙って俯いていた。静かになでられていた。何か思うことがあるのか、難しい顔をし、地面とにらめっこしている。
「はるや」
その時、幼い涼野が幼い南雲に呼びかけ、幼い南雲は顔を上げた。蓮も幼い南雲の頭から手を離し、二人の成り行きを見守る。
「わたしも、おこってわるかった。こんど、おひるがいちごだったら、わたしのぶんをぜんぶはるやとれんにわたす」
小さい自分のことも忘れない涼野の言葉に感激しながら、蓮は幼い南雲の顔色を伺う。幼い南雲は下を向いていた。赤い髪が表情を隠している。
「ほら、風介くんもこう言っているんだし」
まだ怒っているのかと思った蓮が弁明を入れると、俯いていた南雲が声を発した。
「わかったよ」
口元が笑った。そのまま顔を上げると、白い歯を見せて笑った。この年頃だと抜けるものなのか、前歯が何本かなかった。幼い南雲は幼い涼野に近寄ると、わざとらしく首を振る。
「しかたないな、とくべつにこのはるやさまがゆるしてやるぜ」
偉そうな口調で、幼い南雲は胸を張る。すると、今まで強張っていた幼い涼野の顔が綻んだ。
いかにも晴矢らしいなぁと内心苦笑しつつ、蓮は幼い涼野の元に歩み寄る。
「よかったね、風介くん」
蓮が声をかけると、幼い涼野は蓮を見上げた。その顔にもはや陰りは泣く、晴れ晴れとしたっものだった。そして、綺麗な青緑の瞳からは、きれいな光の雫がこぼれていた。太陽の光をそのうちに宿し、儚く光りながら、幼い涼野の頬を伝っていく。
「ありがとう、おにいちゃん」
幼い涼野が光がはじけるように笑みを見せる。
「おにいちゃんがいなかったら、なかなおりできなかった」
幼い涼野は蓮の足元に駆け寄ると、蓮のジャージの裾を引っ張り
甘えるような瞳で蓮を見つめた。蓮は黙って幼い涼野の頭に手を置き、優しく撫で、そして褒める。
「一番頑張ったのは風介くんだよ。えらいえらい」
褒められたことが嬉しいのか、幼い涼野は、頬を赤らめながら、照れ笑いをした。
〜つづく〜
参照4500突破!いやあ、マジで感謝としか言いようがないですvこんな妄想のかたまりーよをこれからもよろしくお願いいたします^^
と言うことでガゼルとバーンの仲直り回でした。そして、幼少南雲と蓮が初めて会う回でもありました。本当に幼少期ぱろは書いていて飽きないですv実は幼少アフロディも混入しようかと思ったのですが、それはまたの機会に^^;